正気か!と思ったが、持ち前のセンスでこなしていて笑ってしまった
最初はそのままの立ち位置でボールを保持していく。ボール保持が機能すればそのままで問題ないだろう。機能しないときは迷わずにCHの選手が立ち位置を変更して、相手のマークをずらしていく作戦を実行する。CBの間に降りるよりは、長所の右サイドに降り、ハーフスペースの入り口から攻撃を組み立てていくことが多い。
ゴール前での崩しでは、SBとSHの連携が肝となっている。SHに配置される選手は控えも含めて突破のドリブルを長所としている。彼らを活かすために、SBはサポートに奔走している。SHをシンプルに追い越す形よりは、内側と外側の立ち位置を使い分けることで、SHの選択肢となりながら、スペースメイクに勤しんでいるのだ。怪我人が続出した左SBには大畑歩夢が補強されたことで、右サイドだけでなく、左サイドもゆっくりと新たな可能性を示せるかもしれない。
両SBが攻撃参加することも日常茶飯事なので、CHは攻撃参加を自重することが多い。ただし、トップ下の選手もCHの仕事をなんとなくこなせる関係性からお互いの役割を交換することもある。中島元彦がCHで起用されたきたときは正気か!と思ったが、持ち前のセンスでこなしていて笑ってしまった。
自分たちや相手の都合に左右されながらも多彩な攻撃をみせるセレッソの攻撃は魅力的に映るのではないだろうか。その攻撃姿勢はまさにポステコグルー監督を彷彿とさせるものであり、新しいセレッソらしさとして定着するかどうかは、アーサー・パパス監督以降の選択次第になるのだろう。個人的には大歓迎する流れである。
得点も多ければ、失点も多いことで順位がついてこない今季のセレッソ。ボール非保持でもポステコグルースタイルでハイライン、ハイプレッシングと言いたいところだが、ハイプレッシングを成立させるためには条件がある。