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コラム 3か月前

両WBがフィニッシュに絡めない。三笘薫はその課題に直面する。サッカー日本代表の戦術と自分らしさを両立するため【現地コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by 加藤健一

日本代表が直面する課題。三笘薫のギアが上がらない訳…

 9月シリーズ突入後の2日間、別メニュー調整を強いられたことから、メキシコ代表戦出場が危ぶまれた三笘。だが、今回は無事に左ウイングバック(WB)で先発。スタートから高い位置をキープし、対面に位置するメキシコの右サイドバックホルヘ・サンチェスに激しいプレスを仕掛けにいった。

 彼の寄せの激しさ、守備強度の高さは2022年カタールW杯の頃とは比べ物にならないほど向上している。しかしながら、守備負担が増したこともあり、攻撃のギアを上げきれないようにも見受けられるのだ。

 3年前まではジョーカー起用がメインだったため、守りのタスクをある程度、免除されていて、“戦術・三笘”に徹することができていた。だが、先発で出る以上そういうわけにはいかない。

 ハードワークを見せながら、高い位置まで上がってゴールに関与することの難しさというのは、右WBの堂安律もしみじみと感じている点。日本の大きなストロングポイントである両WBが前線に出てフィニッシュに絡めないというのは、目下、日本代表が直面する課題の1つと言っていい。

 この日の三笘にしても、前半45分間で目に見えるチャンスに絡んだのは、7分の遠藤航のミドルシュートにつながった左からのドリブルの仕掛け、南野拓実と左サイドの突破に挑んだ25分のシーンくらい。単独の局面打開に挑もうとしても、サンチェスの守備力の高さにも阻まれ、成功しなかった。

 後半開始後も思うようにチャンスが訪れない。65分には南野のスルーパスから数少ないシュートシーンが巡ってきたが、相手DF陣にブロックされ、枠に飛ばない。本人からももどかしさが感じられた。

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