守田英正と田中碧が不在でもできるところを示すべきだった
来年のW杯開催国であるアメリカは難敵以外の何物でもないが、「守田英正と田中碧が不在でも十分戦える」ということを示す必要があった。
とりわけ佐野は、武器であるデュエルの強さ、ボール奪取力を前面に押し出し、敵の攻撃を寸断しなければならなかった。
「バランスも大事ですけど、しっかり個の部分で相手より強度の面で上回ったりだとか、そういうところからリズムを作れればいいかなと思います」と彼は今回の活動スタート時に発言。自身のタスクを明確に描いている様子だった。
序盤はその姿勢が強く感じられた。日本はアグレッシブな入りを見せ、佐野自身も15分に自らボールを持ち上がって藤田のシュートの起点を作るなど、「前へ前へ」という意識を表現していた。
しかし、19分に自身が出した中途半端な横パスを相手FWアレックス・センデハスにカットされ、フォラリン・バログンに決定機を作られたあたりから、じわじわとアメリカに主導権を握られ始める。
ボランチ同士の距離感も遠くなり、藤田も「相手ボランチが少し下がって、自分たちがついていかないといけなくなったスペースをうまく使ってきたので、前半から苦しかった」と苦渋の表情を浮かべるような展開を強いられた。