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Jリーグ 3か月前

「俺らがやらないわけには」浦上仁騎がゴール裏をじっと見つめるワケ。揺れ動いた北海道コンサドーレ札幌移籍を経た今だからこそ【コラム】

シリーズ:コラム text by 黒川広人 photo by Getty Images

「今思えば苦しかった」浦上仁騎に送られたサポーターからのメッセージ

「僕は切り替えるって言葉は好きではなくて。胸に刻みながら次に進むみたいな感じでやってきました。秋田戦で柴田監督が初めて指揮を執るという中、僕を使ってくれたのに勝たせることができなかった。プラス自分は大きなミスを犯してしまい、本当に責任を感じましたし、僕のプレースタイル的にもああいうミスは絶対にしてはいけない。だからこそあの日に関してはきつかったですし、もっと言うとあの週は本当に辛い週というか、かなりパワーが必要だった週だったので、今思えば苦しかったですね」

 続く甲府戦。バス入りの際、サポーターの姿を目に焼き付けるかのようにじっと見ている浦上の姿があった。そして試合前、「浦上に前を向いて戦ってもらおう」という号令のもと、札幌のゴール裏から浦上コールが3度送られた。その想いは確実に浦上の元にも届いていたという。

「僕が札幌に来てから肌で感じているのは、こんなに一緒になって戦ってくれるファン・サポーターってなかなかいないってことです。応援してくれるなって思うことはあっても、ファン・サポーターから感化されることってないんです。けれど、コンサドーレのファン・サポーターからはそれが非常に多くて、これは絶対にやらなきゃいけないなって思わせてくれる。そこは本当に感じています。コールリーダーはじめ、ファン・サポーターの皆さんには本当に感謝しています」

 試合前後、浦上はいつもゴール裏に視線を送り、じっと見つめる。本気で札幌サポーターをともに戦う同志だと思っているのだ。

「一つのルーティンになってますね。今日もこれだけ一緒に戦ってくれる人たちがいるんだから、俺らがやらないわけにはいかないなって。共に戦ってくれているみなさんの姿を目に焼き付けています」

 残り10戦、逆転昇格にはもう勝ち続けるしかない状況。だからこそ、浦上は日々のトレーニングにこだわる。

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