サッカー日本代表は9月にアメリカ合衆国へ遠征を行い、FIFAワールドカップ開催国のメキシコ代表、米国代表と対戦し、1分1敗という結果に終わった。圧倒的な強さを見せた同アジア予選とは対照的な結果に終わったが、その結果だけを持って批判の的とするのは短絡的だ。(文:ショーン・キャロル)
ネットの過剰反応を生むのに十分な1分1敗
一見すると、先週アメリカで行われた日本代表の2試合は、完全な失敗だったように思える。
勝利なし、得点なし。この結果は「森保一は力不足で、サムライブルーを次のステージに導くことはできない」と考える人々――いわゆる“欺瞞”などと呼ぶ、指導者資格を一切持たないネット民――が過剰反応するには十分な材料だった。
だが現実には、メキシコ代表との0-0の引き分けとアメリカ合衆国代表に0-2で敗れた試合は、来年の9か月後に北米に戻る前の最終準備を進めるうえで、日本代表の監督とそのコーチ陣にとって有益な実戦だった。
まず、最初に確認できたのは、現在“ファーストチョイス”とされている選手たちの大半が、やはりその立場にふさわしいということだ。そして、8大会連続でワールドカップ出場を決めた日本代表の中核となるチームは、来年6月の初戦でもそのままピッチに立つことになるだろう。
メキシコ代表戦がスコアレスで終わったのは確かに残念ではあるが、カリフォルニアのオークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアムでは、日本は一時的に非常に良いサッカーを展開していた。もし久保建英、堂安律、南野拓実の誰かがチャンスを決めていれば、勝利を手にしていた可能性は高い。
