課題の先に見える可能性
その原因の1つには、選手間の連係がまだ深まっていないことが挙げられるだろう。
初先発だったシェシュコはもちろん、もう一人の崩しのキーマンであるディアロとの関係構築も急がれる。具体的には、打点の高いシェシュコに放り込むクロスの質や、押し込んだ際の崩しの形を改善していく必要がある。
ただ、この日得点を奪えなかった一番の理由は、カウンター時、ムベウモ自身の抜け出しに合わせてスルーパスを供給できる前線の選手がいなかったことにある。要するにユナイテッドは、昨季20ゴールを奪ったクオリティのあるフォワードを、フィニッシュワークに専念させることができなかった。この点が勝敗を分けたと言える。
MFメイソン・マウントや背番号10を新たに背負うFWマテウス・クーニャの不在が大きく響いたことは間違いない。トランジション時の雑なパスでも失わず、ボールを前に運び、タイミング良くスルーパスを供給し、カウンターの起点となれる前線の選手が出現したとき、ムベウモはユナイテッドの王様となるだろう。
赤い悪魔の未来を感じさせた、今季最初のマンチェスターダービー。今後のチームの成長から、目が離せない。
(文:阪田天祐)
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