J1各クラブは、夏の移籍期間(ウインドー)を経て、チームの顔ぶれに変化があった。新戦力の加入で力強くなったチームもあれば、主力の放出で戦力ダウンとなったクラブもある。今回は、データサイト『transfermarkt』が算出する各クラブの現在の総市場価値を7月1日時点ものと比較し、下落幅が大きいクラブをランキング形式で紹介する。[3/5ページ]
8位:サンフレッチェ広島
市場価値の下落額:27.5万ユーロ(約4675万円/1.4%ダウン)
市場価値の変動:2010万ユーロ(約34億7110万円)→1983万ユーロ(約33億7110万円)
サンフレッチェ広島は、夏の移籍期間で大きな動きを見せなかった。総市場価値は27.5万ユーロ(約4675万円)の減少で、1.4%のダウンとなっている。
今シーズンの広島は、2024シーズンにジュビロ磐田でリーグ戦19ゴールを記録したジャーメイン良を冬に獲得したものの、ここまで4ゴールと期待に応えられていない。
そこで、攻撃強化の一環として、6月の特別期間で柏レイソルから木下康介(市場価値55ユーロ=約9350万円)を獲得。190cmの長身FWを加え、攻撃のバリエーションを増やした。
さらに、7月末には韓国代表DFキム・ジュソン(市場価値85万ユーロ=約1億4450万円)がFCソウルから加入。高齢化が進む最終ラインに新たな風を吹き込む補強となった。
一方で、放出した選手はいずれも出場機会が限られていた。市場価値が最も高いのは、ジュビロ磐田に期限付き移籍した井上潮音の35万ユーロ(約5950万円)だった。
木下の加入も含めれば、チームの総市場価値は上昇しており、決して野心を欠いたわけではない。
その木下は加入後、リーグ戦4ゴールを含めて公式戦で7ゴールを決めており、チームの戦力になっている。
ただ、6位につける広島の総得点は「35」で、J1上位10チーム中ワーストだ。
得点力不足という課題は解決されていないだけに、夏の移籍期間でもう少し何かできたのではないかとも考えてしまう。
