Jリーグは7月、全60クラブに関する2024年度の経営情報を開示した。これまで3月決算の柏レイソルと湘南ベルマーレを除外した状態で発表されていたが、改めて両クラブを含めた経営状況が明かされている。今回のランキングでは、そのなかの「入場料収入」に着目。チケット販売での収益が低かったクラブをランキング形式で紹介する。(入場料収入が並んだ場合は、試合関連経費が高い方を上位とする。)[4/5ページ]
7位:SC相模原
入場料収入:4300万円
SC相模原は、2024年度決算で入場料収入が4300万円だった。Jリーグ全体で7番目の低さだ。
クラブは2020年にJ3で2位となり、初の昇格を果たしたが、翌年は19位。1年でJ3へ舞い戻ってしまった。
その後、2022年・2023年と2年連続で18位と苦戦が続いたが、2024年は9位に浮上し、3年ぶりに1桁順位を記録した。
チーム成績の改善も影響したのか、リーグ戦の1試合平均観客数は2023年の2308人から2024年は2820人へと大きく増加した。
しかし、平均客単価は1026円から803円へと下落し、結果として入場料収入は前年の4500万円から200万円減の4300万円にとどまった。
一方で、運営コストの高さは課題となっている。
2024年の試合関連経費は1億1800万円。これはJリーグ全体で37番目、J3では4番目の高さで、入場料収入に対して費用が見合っていない。
バックに資本力のあるDeNA社がついているとはいえ、可能な限り早く対処したいはずだ。
こうした状況を鑑みてか、今年7月にはクラブがJリーグに対してスタジアム整備計画を提出したことを公式サイトで発表。神奈川県海老名市に、1万5000人以上収容の多目的スタジアム建設を視野に入れている。
今シーズンは第27節終了時点で10位。1試合平均観客数は2428人となっている。
小学生以下はホームゲームを無料で観戦できる「こどもフリーパス」を発行するなどしてファミリー層の取り込みに注力しているものの、大きな集客増にはつながっていない。
J2昇格時期とコロナ禍が重なったこともあり、クラブとしての飛躍を阻まれた側面は否めない。
中長期的な視点で、環境整備と観客動員の両輪をどう整えていくかが問われる。
