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Jリーグ 2か月前

「下を向かないで、田代さん」裏天王山で敗れたアルビレックス新潟、田代琉我の心を揺さぶった主審の言葉。「少し前向きになれた」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「あのシュートを止めてこそ…」

「あの場面でシュートのコースを限定できればよかったですけど、コースもニアとファーの両方がありましたし、さらに左足でファーへクロスもあげられる状況で、守る側としてはちょっと後手を踏んでしまいました。アダイウトン選手にフリーで、まさにやりたいようにやらせてしまったと反省しています」

 対照的に80分から途中出場していたアダイウトンに、迷いはまったくなかった。左足を迷わずに強振。強烈なゴラッソで田代とニアポストの間の狭いスペースを豪快に撃ち抜いた。わずかに反応が遅れた体勢から必死にダイブし、懸命に伸ばした左手の先を「ボールがかすめていた」と明かしながら田代が続ける。

「もっとうまく守備陣を動かしていたらと思いましたし、自分のなかで予測や判断といった部分をもうひとつ上げていれば、もしかしたらあのシュートを弾き出せていたかもしれない。ボールに触っていたからこそ見えてくる部分があるし、あのシュートを止めてこそJ1でプレーするゴールキーパー(GK)だと思っています」

 横浜FC戦がJ1リーグで8試合目の出場だった。神奈川県で生まれ育ち、日大藤沢高校から国士舘大学を経て2021シーズンに当時J3のロアッソ熊本へ加入した田代は、翌2022シーズンに昇格したJ2で熊本の守護神として3年間で77試合に出場。27歳になる今シーズンに新潟へ完全移籍で加入した。

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