毎試合自らに課しているタスク
「ゼロで終えられた部分に関して言えばそうですし、あれだけ最高のデビューができる選手もそうはいないと思うので。正直、前半戦は自分でも不甲斐ないと感じていましたけど、試合勘やチームへのフィット感といった部分で、いい意味での慣れを含めて状態があがっていると自分のなかでも感じていました」
だからこそ、その後の軌跡には満足できない。続く2試合でともに敗れると、FC町田ゼルビアとの第22節から4試合は藤田が先発。それでも連敗は止まらずに6にまで伸びた。川崎フロンターレとの第26節から田代が先発に戻るも、その川崎戦で引き分けてからは横浜FC戦まで再び4連敗を喫している。
しかもすべて1点差で敗れ、直近の3戦のスコアはすべて0-1だった。攻撃陣が苦しんでいるからこそ、守備では「毎試合、クリーンシートを目標にしている」と田代は自らに課したタスクを明かす。
横浜FC戦でも開始4分に、FW櫻川ソロモンの至近距離からの強烈な一撃をセーブ。45分にはゴールに入りそうな軌道を描くDF福森晃斗のクロスを左手一本でかき出し、77分にはニアへのグラウンダーのクロスに飛び込んできた櫻川の右足に、自身の右膝を接触させながらもボールをしっかりとキャッチした。
「僕個人としても強みとする部分はやはりシュートストップなので、そこは出せていましたけど、最後の最後でアダイウトン選手にやられてしまった。詰めが甘いというか、相手に上回られてしまいました」
失点を悔やんだ田代は選手や一部スタッフと向かった試合後の挨拶で、ゴール裏を埋めたファン・サポーターから痛烈なブーイングを浴びた。キャプテンのDF堀米悠斗、在籍8シーズン目のMF高木善朗らがフェンス越しに話し合いに応じ、最後はアルビレックスコールの大声援を受けたやり取りをこう振り返る。