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J2 2か月前

「ゴリさんに呼ばれて…」堀田大暉抜擢の舞台裏。30歳のベガルタ仙台デビュー、1週間前の出来事を森山佳郎監督は見ていた【コラム】

シリーズ:コラム text by 小林健志 photo by Getty Images

ベンチ外の日々でも「出番が来た時に勝たせられるような準備を」

 しかし、仙台に加入してからは順調とは言い難かった。キャンプ中に負傷してしまったため開幕に間に合わず、林がレギュラーとしてプレーし、若手GK梅田陸空がサブGKに入る状況が開幕からずっと続き、練習に復帰してもその序列が変わらなかった。6月の天皇杯2回戦・カターレ富山戦で初めてベンチ入りするが、リーグ戦はずっとベンチの外から試合を見守る日々が続いた。

 そして、9月14日、仙台は福島と練習試合を行った。福島でかつて一緒にプレーした選手もいて奮起した堀田は、持ち味を存分に発揮し、良いパフォーマンスを見せていた。

「僕の特徴とかをうまく活かしながら、僕が入るまでは0-0で得点も動いてなかったので、僕が入って良い配球をして得点につなげていけたらなというところでした。前半のうちに2点取れて、守備のところも今、GKコーチの植田(元輝)さんの下で良い競争ができていますし、本当に手応えはすごく感じます。自分の強みというのを今日はうまく出せたのかなと思います」と良いプレーができている手応えを感じていた。

 それでも出場機会がなかなか得られない状況が簡単には変わらないことを堀田は理解していた。

「GKというのは簡単に出番がコロコロ変わるものでもないので、何かがあってとかで、チャンスが来ると思うんですけど、その時に今、自分が取り組んでるものとか、感じている手応えとかをそのピッチで証明できないと、この今、やっている過程というのはあまり意味がありません。

 そこは福島でもそうですし、湘南とか岡山とかでもやりながら感じていて、学んできた部分なので、日の目を浴びる時間ではないですけど、今、試合に出る時に向けてどれだけ自分の力を磨けるかというところは、本当に腐らず、ベクトルを自分に向け続けて、出番が来た時に勝たせられるような準備を毎日続けています」と、いつか試合に出た時のために最善の準備を続けると語っていた。この時はまだ1週間後に出場機会が巡ってくるとは堀田自身も思っていなかった。

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