「もうやるしかない」正守護神の離脱で訪れた出番に奮起
しかし、堀田の好パフォーマンスをしっかり見ていたのは森山監督だった。「ちょうど植田元輝GKコーチと、『堀田が良くなってきていて、サブを入れ替えよう』という話をしていました」と山形戦後の記者会見で、堀田のベンチ入りを検討していたことを明かした。
その後、山形戦前に林が離脱したことで、森山監督はずっとサブに入っていた梅田ではなく堀田の先発起用を決断する。「アキさん(林)が出られないと決まった後、全体ミーティングの前にゴリさん(森山監督)に呼ばれて、『次の試合は堀田で行くから』と言われ、GKコーチからも説明があった上で伝えられました」と堀田はその時の状況を振り返った。
「ずっとベンチに入っていなかったですけど、確実に植田さんの下で成長できていて、いざ試合に出れば絶対チームの力になれるという自信はあったので、もうやるしかないなと思いました。変なネガティブな気持ちというのは湧き出てこなくて、日々取り組んでいることをやるだけだなとなったので、自信を持って挑みました」と堀田はついに30歳にしてベガルタ仙台のトップチームデビューを果たすこととなった。
しかし、ある程度キャリアを積んできた堀田も、仙台のデビュー戦がみちのくダービー、かつ両チームのサポーターで満員となったユアテックスタジアム仙台でのプレーは緊張したようだ。試合の序盤、相手にプレッシャーをかけられ、あわやボールロストというシーンもあった。
「ベガルタのエンブレムをつけた上でダービーを戦う重さと言うか、絶対勝たなきゃいけないというプレッシャーというのは、外から見てるものとは違う計り知れないものがありました。ベガルタに入って積み重ねてきたものがあって、そこに自信というのはあったので、大丈夫かなとか、やれるかなみたいなネガティブな感じは全くなかったんですけど、いざ試合が始まったら緊張して、馴染むまで結構入りの部分とかではバタつかせてしまいました」と、ジュニアユースからダービーの重みを分かっているが故の緊張があったという。
39分には山形のMF氣田亮真に先制を許してしまう。「前半、ピンチは1回で、その1発を沈められてしまったのですが、そこのシーンは練習で取り組んでることをしっかり発揮できれば、はじき出せたシーンではあったと思うので、そういったところは練習で継続していくしかない」と1回ボールには触ったもののゴールに入ってしまった失点を悔やんだ。