「また一緒に仕事できて…」

「ウチのスタイルにも合うし、伸びしろもまだまだあると思っていたので。ここでまた一緒に仕事できてうれしいと思っていますけど、彼はどうでしょうか。うるさいと思っているかもしれないですね」

　2023シーズンからは完全移籍に移行した。しかし、曺監督はかつての愛弟子を甘やかすつもりは毛頭なかったし、佐藤も恩師に甘えるつもりはなかった。京都で課されたポジションは、大学や鳥栖でのアタッカーではなくSB。いまもミッドフィールダー登録のまま佐藤はチャレンジを続けている。

　新天地に挑んで3年あまり。佐藤は「サイドバックの選手になってきたと思う」と胸を張る。

「自分が必要とされるポジションで、必要されるプレーをしようという思いで来たので、正直、どこでもやってやろうという気持ちでした。いままでは攻撃は得意で、守備は前からはいけるけど、後ろ向きの対応をちょっと苦手にしていました。積み上げのなかでその部分にも大きな自信がついてきた」

　守備への自信が膨らめば、攻撃面での武器をさらに活かせる。その意味でPKを獲得した勇気あふれるプレーを曺監督から褒められたのか。佐藤は「いや、特に何も言われていないですね」と笑った。