FC町田ゼルビアは9月27日、明治安田J1リーグ第32節でファジアーノ岡山と対戦し、1-0で勝利した。試合終了間際のゴールで5試合ぶりの勝利をつかみ、優勝戦線へ望みをつなげた町田。リーグ戦で13試合ぶりの先発起用となった仙頭啓矢は指揮官の起用に応える働きぶりをみせ、チームの勝利に貢献した。

FC町田ゼルビア仙頭啓矢がリーグ戦13試合ぶりの先発で奮闘

【写真：NN】

「最近シャドーで出る中できょうボランチで出たので、自分の中の頭の整理にまず集中しましたし、チームとしてやるべきことをまず大優先に自分の理想というよりかはチームとして何を求められてるかというところを重点においてプレーしたつもりです」

　仙頭はその言葉通り、自身の持ち味であるボールの配給というよりもロングボールを主体とする岡山に対して球際で激しく競り合う場面が多かった。

　4戦未勝利と白星から遠ざかっていたチームにとって、逆転優勝を目指す中で落とせない一戦だった中で「チームとしてまずは失点ゼロでやっていこう、リスクを冒さずやっていこうというところで前に高い選手がきょうも入ってたので、そこを活かしていこう」とチーム内の約束事を徹底した。

　全員のベクトルが同じ方向に向いて町田のサッカーができたことで、試合全体を通して岡山にピンチらしいピンチを作らせず、自分たちのチャンスを作ることができた。その結果、最終盤での劇的なゴールにつながった。仙頭はそれをこの試合でより感じたという。

「とにかく失点をしないことを最優先に進めていく中で、絶対チャンスは何かしら絶対ゴールは取れるからっていうふうに監督が常におっしゃってたので、ああいう展開になったのはゼロで抑えてたからこその勝利だったなと思います」

　自身としては、リーグ戦では5月31日の横浜F・マリノス戦以来、13試合ぶりの先発起用だったが、「常に準備はしてましたし、途中で出たときも何ができるのかを考えつつやってて、自分に対しての自信は常に持っていた。試合に出たときにチームにも勝利にも貢献できるようにすれば自分のチャンスの幅は広がっていくなと感じていたので、とにかくきょうは結果がついてきて良かったなというふうに思います」と冷静に振り返った。

　チームは今後もAFCアジアチャンピオンズリーグエリート（ACLE）とリーグ戦の過密日程を戦わなくてはいけない。主力の菊池流帆や岡村大八など守備陣を怪我で欠く中、どう勝ち切って、優勝戦線へ生き残っていくのか。

「ゼルビアは選手もたくさんいる中でどの選手が出ても活躍できると思いますし、それぞれの選手が悔しい気持ちとか、いろんな気持ちを持ってチャンスをうかがっていると思うので、出たときにどういうプレーができるのかはすごい大切になってくると思います。怪我人や戦いたくても戦えない選手がいる中でその選手たちの気持ちも背負って戦っていくことが大事ですし、1人1人がしっかり責任を持って出たときに何をできるのかが本当に大事かなというふうに思います」と改めてチーム一丸となって戦うことを強調した。

（取材・文：竹中愛美）
　

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