「数字を出す選手がさらに評価されていく」
千葉のシュート数は19本。得点以外の決定機も4回、5回はあっただろう。カウンターで押し戻される場面も目立ち、チャンスを作り出すも仕留める力を発揮できなかった。
指揮官が「点が取れないのであればチャンスを作り続けるしかない」と話した言葉がすべてだった。
決定機を高めることは、どの監督にとっても大きな悩みの種であり、もちろん特効薬など存在しない。それでも小林監督は「作った決定機を決められないのなら、さらに多くの決定機を作る以外にない」と話す。
そして「こういうヒリヒリするゲームの中でしっかりと数字を出す選手がさらに評価されていくと思いますし、そういうところにフォーカスして、もっと成長を促していけるようにする以外ないと思います」と続けた。
フィニッシュワークに関しては、個人の質や力量に頼る部分は大きいが、チャンスに決め切れないのであれば、チャンスの数を増加させることでカバーするだけである。
少ないチャンスを決め切る、ではなく、決め切るまでチャンスを作る。ゴールに向かう意識を個々が高めるしかない。
呉屋は「(決定力は)選手の責任だと思うし、個人個人がどう変えていけるか。チャンスを作ること、決め切ることに対して責任をもってやっていきたい気持ちです」と厳しくも前向きに語り、「チームに対しての強い思いが、チームとしての力に出る。そこはブレずにやっていきたいと思っています」と力を込めた。
ラスト7試合。決め切る力を示すことができるか。この日の悔しさと教訓を残り試合で生かすしかない。
(取材・文:石田達也)
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