明治安田J1リーグ第32節、柏レイソルは川崎フロンターレと壮絶な打ち合いを演じ、4戦連続ドローで首位との勝ち点差は7に広がった。スタメン出場した杉岡大暉は、開始直後のPK献上に悔しさを滲ませつつも、個人としての手応えを口にした。停滞するチームを再び勝利へ導くべく、自らの持ち味を発揮する構えだ。(取材・文:元川悦子)
逆転優勝に向け、勝利が必要だった柏レイソル

【写真:NN】
2025年J1もいよいよ終盤。27日に一足先に行われた第32節で、首位を走る鹿島アントラーズと2位・ヴィッセル神戸が揃って勝利し、勝ち点3を上積みした。
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彼らと上位争いを演じてきた柏レイソルは9月突入後、神戸、セレッソ大阪、サンフレッチェ広島に3戦連続ドローという苦しい状況を強いられている。逆転優勝を狙ううえで、これ以上の足踏みは許されなかった。
ここへ来て、リカルド・ロドリゲス監督が重用してきた渡井理己、久保藤次郎、原田亘が相次いで負傷。シーズン途中に加入してチームを活性化させていた瀬川祐輔、小西雄大も離脱ということで、台所事情はかなり厳しかったが、28日の川崎フロンターレ戦は4試合ぶりの白星が必要不可欠だった。
そこで、指揮官は徳島ヴォルティス時代からの秘蔵っ子・ジエゴを初めて右ウイングバック(WB)に抜擢。斬新な策を講じながら、勝ち筋を見出そうとした。
ところが、川崎は柏の低い位置からのビルドアップを阻止すべく、立ち上がりからハイプレスを仕掛けてきた。
相手FWラザル・ロマニッチがGKの小島亨介目がけてチェイシングし、2列目の面々もアグレッシブにボールを取りに来る形で、柏守備陣としても少なからず戸惑いを感じたに違いない。
その流れがいきなりPK献上につながってしまう。開始早々の6分、小島が小屋松知哉に出し、そこから古賀太陽へ大きく戻したバックパスが少しズレる。
古賀は逆サイドの杉岡大暉へ展開したが、その瞬間を伊藤達哉に狙われ、ペナルティエリア内で倒す形になった。これをロマニッチが決め、柏はあまりにも早い時間に1失点を喫したのだ。