「このクラブの素晴らしさも理解しているからこそ…」
まずは2分、一度は奪ったボールをすぐに奪われてFC東京に速い攻撃を仕掛けられると、自ゴール前に戻りながら、一瞬フリーになった遠藤渓太へ左サイドの深い位置からマイナスに送られたグラウンダーのパスをインターセプトする。
さらに5分には、またも左サイドから送られたクロスをボレーシュートのモーションに入ろうとしていたマルセロ・ヒアンの手前に入り、ヘディングでクリアした。
特に前者は、まずプレスを掛ける前線に連動して高い位置で相手を1人消していた。つまり、一度はボールを奪った状況かつ相手の速い攻撃に対し、長い距離を戻った末のプレーだった。
そして、いずれも周りの状況を把握し、ボールの行き先を読んでいた。
「本当に大きな重圧があるし、このクラブの大きさも素晴らしさも理解しているからこそ、その重みをひしひしと感じながら戦っているし、選手は大きな重圧の中で戦っているので、それを少しでも自分の姿で絶対に這い上がるというところを見せられればとも思った」
喜田のそんな思いを知ったのは試合後だが、強い思いを抱いていることはプレーから感じられた。
しかし、いくら調子が良さそうだとは思っても、まさか先制ゴールを奪うに至るとは想像できなかった。