明治安田J1リーグ第32節、京都サンガF.C.はセレッソ大阪に2-1で勝利し、3位をキープした。ラファエル・エリアスの負傷でピッチに投入された山田楓喜は、終了間際のセットプレーで長沢駿の得点をアシストし勝利に貢献。半年間のポルトガル挑戦を経てチームに復帰したレフティは、クラブ史上初の優勝争いを続ける京都に、新たな力を注ぎ込む。(取材・文:藤江直人)
復帰後初アシストを記録した山田楓喜

【写真:Getty Images】
左足に残った心地よい感覚が、京都サンガF.C.の山田楓喜にゴールを確信させた。
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「ニアを狙うのはこの試合でずっと徹底していたので、僕自身はホンマにそこに蹴っただけでした。ただ、蹴った瞬間に(長沢)駿くんが走ってくるのが見えましたし、これは『触れば入る』と」
セレッソ大阪のホーム、ヨドコウ桜スタジアムに乗り込んだ28日のJ1リーグ第32節。44分に京都が先制するも57分にセレッソが追いつき、一進一退の攻防が続いた展開で迎えた87分だった。
京都が獲得した通算6本目の、左側では同3本目のコーナーキック(CK)。それまでキッカーを担っていたMF平戸太貴が75分にベンチへ下がっていた状況で、ボールをセットした山田はセレッソゴールから離れていくアウトスイングの軌道のクロスを、ニアへ供給する仕事だけに集中していた。
CKがアウトスイングで放たれれば、味方はボールと相手の両方を見極めながら反応できる。そのメリットを完璧に生かしたFW長沢駿がマークを振り切ったフリーの状態で、さらに加速をつけて宙を舞う。
次の瞬間、強烈なヘディングシュートがセレッソのGK福井光輝の両手を弾いてゴールネットを揺らした。
期限付き移籍していたポルトガル1部リーグのCDナシオナルから6月に京都へ復帰した山田にとって、これが出場7試合目で初めてゴールに絡む仕事となった。
試合後には「最後のアシストにしても、ようやく数字を残せたのはよかったと思っています」と決勝点に言及しながら、こんな言葉をつけ加えている。