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Jリーグ 2か月前

「帰ってきてしまった」不完全燃焼で京都サンガF.C.に復帰した山田楓喜に芽生えた意識。「おのずとそういう気持ちに…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

「監督の求めるものだけをやって上手くなった選手は…」

「自分が点を取るとか取らないかとか、ドリブルで抜けるか抜けないかくらいの興味しか抱いていなかった選手がチームに対して目を向けるほどに、持っている力が活かされはじめる。もちろんそのなかで個性は絶対軽視してはいけないし、監督の求めるものだけをやって上手くなった選手は実際に一人もいないので」

 大きな枠組みのなかであれこれと自分で考えながら、ストロングポイントを研ぎ澄ませていく。

 山田に対する曺監督のスタンスはヴェルディで5ゴールをあげ、そのうち3点を得意の直接フリーキック(FK)で決めた昨シーズン、そしてポルトガルに挑んだ今シーズンの前半戦を経ても変わらない。

 そのなかで山田が抱くフォア・ザ・チームの思いは、時間の経過とともにますます強くなっている。

 FC町田ゼルビアと1-1で引き分けた23日の第31節。後半アディショナルタイム3分に原が決めたPKで追いついた京都は、同10分に相手ゴール正面で原がファウルを獲得した。

 直接FKのキッカーは山田。ともにボールの背後に立った平戸によれば「山田が頑なにキッカーを譲らなかった」という。

 しかし、約17mの距離から放たれた山田の直接FKはクロスバーに嫌われてしまった。

「正直、入ったと思いました。決められる自信があったし、だからこそ僕が蹴るしかない、と。久しぶりにこんなにも悔しい感情が沸いて出てきていますけど、逆に成長できる、強くなれるとも思っています」

 勝利を逃した責任を一身に背負うかのように、捲土重来を誓った町田戦から5日。まさに有言実行とばかりに絶対の自信を寄せる左足で劇的なゴールを手繰り寄せ、鹿島と神戸の上位陣との勝ち点差をキープする白星奪取に貢献した山田は「勝ちたい気持ちが相手よりも上回っていました」とこう続けた。

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