J1昇格4年目の京都サンガF.C.は、いずれも下位でシーズンを終えてきた。しかし、今季は6試合を残して首位・鹿島アントラーズに勝ち点5差に迫っている。就任5年目を迎えた曺貴裁監督の下で、京都がどんなサッカーを展開しているのか、識者がひも解いていく。(文:らいかーると)
京都サンガF.C.から見るストーミングの要素
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明治安田J1リーグが第32節を終了した時点で3位につけている京都サンガF.C.。個人的な記憶を遡っても、リーグ戦で京都が優勝争いをした記憶はありません。優勝に向けて千載一遇のときを迎えた京都が、どのようにしてこの順位と結果を手に入れているのかを、今回はみんなで考えていきたい。
なお、昨シーズンに終盤戦で同じように力を発揮した湘南ベルマーレは戦力の維持ができずに残留争いを強いられている。選手移籍によるダメージを最小限に抑えた京都が優勝争いをしている現実は、Jリーグの生き残り方について様々な示唆がある証左なのではないだろうか。
皆様は「ストーミング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「ポジショナルプレー」と対になる言葉として登場した「ストーミング」について、まずはさくっと説明していきます。京都のサッカーを見ていて、最も連想した言葉が「ストーミング」だからです。
「ストーミング」はハイプレッシングと果敢なゲーゲンプレッシングによって、相手のボール保持に対抗し、自分たちのボール保持は速攻やカウンターをメインとすることによって、意図的にボールを捨ててでも、相手ゴールや相手陣地のスペースに繰り返しなだれ込んでいくサッカーを表しています。そう、キャプテン翼に出てきた雪崩攻撃ですね。
「ボール保持における試合の主導権争い」や「ボール保持による休憩や守備」が当たり前になっている現代において、絶滅危惧種のような存在が「ストーミング」です。
「ストーミング」と表現されるチームでさえも、時間帯やスコアの状況によっては、ボールを保持して相手から攻撃の機会を奪うことが正しい振る舞いになりえます。つまり、勝つためにはボール保持をする時間があるほうが効率的とどうしてもなるのがサッカーというスポーツの特徴になります。
