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J1 2か月前

発想が変わると早稲田大学ア式蹴球部が変わった。闇雲に目指した「Jリーガー」にはどんな価値があるのか?【コラム】

シリーズ:コラム text by 岡田優希 photo by Getty Images

世界は広い。見えていなかった現実に直面した

 ユースからトップ昇格できずに進学した早稲田大学ア式蹴球部には、ユースや高体連と様々な経歴を持つ学生が入部しています。

 そしてサッカーとの向き合い方も人それぞれ違います。

 プロを目指す学生、4年間サッカーをやり切って就職を目指す学生、そしてプレーヤーだけでなくマネージャー、トレーナー、リーグ運営、さらに今はもっと役割が分かれていると思います。

 フロンターレのアカデミーでプロを目指すことが絶対の環境で育った自分には、プロを目指すのではなくサッカーを楽しむことや一生懸命に取り組むことに大きな衝撃がありました。

 そしてプロが目的ではないのにも関わらず、日々の練習に全力を尽くす同期や先輩後輩の姿を見て、「Jリーグとはなんだ?」「サッカーを仕事にするとはどういうことか?」とハッとさせられました。

 ただただ闇雲に目指した「Jリーガー」「プロサッカー選手」というものはどのように成り立っていて、どんな価値があると社会が認めているのか。

 さらに大前提として私たちが暮らしているこの日本では、ありとあらゆる様々な種類のエンターテイメントがあります。

 サッカーが熱狂的で長い歴史のある欧米では、土日に楽しめるエンターテインメントがサッカーしかない地域も多いといいます。

 しかし日本では、映画館やショッピングモール、遊園地や美味しいレストラン、さらにはお家にいても十分に休日を楽しむことができます。

 そんな中で、決して安くはないチケットを購入してスタジアムまで足を運んでくださったり、DAZNやLeminoに登録をして画面越しに応援してくださる方々がいます。

 さらには試合の開催にあたって、ここで書ききれないほどに色んな方が支えてくださっています。

 そもそもクラブが成り立つにはスポンサーの皆さま、行政の方々の大きな、大きな支えがあってこそです。

 価値があると盲目的に信じていたサッカー、スポーツの世界は、日本いや世界の中でもほんの一部にしか過ぎず、世界はもっと広い。

 その中で何ができるのだろうか。

 見えていなかった現実に直面し、モヤモヤとした日々が続きました。

 サッカーをするためだけに自分があって、その先に何があるのかがわからなかったからです。

 自分の憧れた世界、目指してきた世界は自己満足なのか?

 しかし大学3年時に、転機となるある授業がありました。

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