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J1 2か月前

発想が変わると早稲田大学ア式蹴球部が変わった。闇雲に目指した「Jリーガー」にはどんな価値があるのか?【コラム】

シリーズ:コラム text by 岡田優希 photo by Getty Images

ビジョンを定め、伝統を定義する

 それから4年次に主将になり、創部96年の歴史の中で初めて「日本をリードする存在になる」というビジョンを定めました。

 これは、早稲田大学ア式蹴球部と他の大学のサッカー部との違いは、プロサッカー選手を目指すことが目的ではなく、4年間の経験を通して人格を磨き、次のステージで活躍できる人材を多く輩出していることだと考えたからです。

 プロになった選手の数、企業に就職された方、どちらか一方で目立った実績のある大学は数多くありますが、それを両立している大学は早稲田しかない。それこそが受け継がれてきた「伝統」だと定義しました。

 そして4年生になるタイミングで新監督に就任された外池大亮さん(現横浜マリノス株式会社経営企画)も同じく、これまでのア式蹴球部や大学サッカー、さらには日本サッカーの在り方に大きな危機感を抱いており、部を改革しようとされていました。直接ビジョンについてお話しすることもなく、すんなりと方向性が定まりました。

 様々な改革を進めた2018年の関東大学サッカーリーグで早稲田は2部から昇格したばかりで、チーム力が劣っている状況でした。

 ですが前半戦で前年度王者の筑波大学や、伝統的に強い明治大学に勝利し、首位をキープし続け優勝することができました。

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