サッカーにおける監督業というのは非常に過酷な仕事だ。チームが勝利すれば選手たちにスポットライトが当たるが、敗れれば監督が責任を厳しく追求され、シーズン途中で任を解かれることも珍しくない。また、確かな手腕がある指揮官が、退任後のキャリアに空白を作るケースも珍しくない。今回は、現在どのクラブや代表チームも指揮していない日本人監督を5人紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照。[2/5ページ]
岩政大樹(いわまさ・だいき)
【写真:Getty Images】
生年月日:1982年1月30日
最後の指揮:北海道コンサドーレ札幌
退任:2025年8月10日
退任からまだそれほど日が経っていないが、岩政大樹も現在フリーの指揮官の1人だ。
1年でのJ1復帰を掲げる北海道コンサドーレ札幌に招聘されて2025シーズンに臨んだものの、成績が芳しくなかったことで2025年8月10日に監督を解任されている。
2024シーズンの明治安田J1リーグを19位で終えた札幌は、9年ぶりのJ2降格が決定した。
“名将”として知られるミハイロ・ペトロヴィッチからバトンを受け継いだ岩政は、前任者の特異なスタイルを継承・発展させつつ、J1早期復帰を果たすという重責を担うことになった。
だが、蓋を開けてみれば、岩政は両タスクの遂行に苦戦する。J2リーグはまさかの4連敗スタートとなり、J1昇格争いどころか最下位に沈んでしまう。
また、ピッチ上で繰り広げられるサッカーはスペクタクルなミシャ式から程遠い内容となっており、貴重なレガシーが失われつつある状況が進行していた。
札幌から契約解除が発表された際、岩政は「素晴らしい時間を過ごしました」とコメントする一方で「正直に言うと、驚きの気持ちと、見え始めていたフットボールの完成形を見られない残念な気持ちがあります」とも語った(クラブ公式サイトより)。
シーズンが進むごとにクラブが求めるスタイルとのズレが決定的になっていたようにも思えるが、岩政の目は理想の形に到達するまでの道筋をしっかりと捉えていたようだ。
「悔いはないので、次に向かいます」と言葉を残した指揮官の“再就職先”はどこになるのだろうか。