サッカーにおける監督業というのは非常に過酷な仕事だ。チームが勝利すれば選手たちにスポットライトが当たるが、敗れれば監督が責任を厳しく追求され、シーズン途中で任を解かれることも珍しくない。また、確かな手腕がある指揮官が、退任後のキャリアに空白を作るケースも珍しくない。今回は、現在どのクラブや代表チームも指揮していない日本人監督を5人紹介する。※データは『Transfermarkt』を参照。[3/5ページ]
四方田修平(よもだ・しゅうへい)

【写真:Getty Images】
生年月日:1973年3月14日
最後の指揮:横浜FC
退任:2025年7月23日
横浜FCを二度のJ1昇格に導いた四方田修平は、2025年7月23日に同クラブの指揮官を退任。2ヶ月経った現在、新たな仕事先が決定したという話は出ていない。
四方田の志向するサッカーは、多分に“名将”ミハイロ・ペトロヴィッチの影響を受けている。
2015シーズン途中からコンサドーレ札幌(現:北海道コンサドーレ札幌)の監督を務めていたものの、2018シーズンからはコーチ就任を受諾する。
新監督のミシャを右腕として支え、2018シーズンのJ1リーグ4位や2019シーズンのJリーグYBCルヴァンカップ準優勝を経験した。
ミシャの下で学んだ攻撃サッカーは、後に自身の哲学を反映させた組織的な守備と組み合わさり、唯一無二の“四方田スタイル”へと昇華されていく。
2022シーズンに横浜FCの監督となった四方田は、就任1年目にJ2リーグを2位で終えてチームをJ1昇格に導いた。
翌2023シーズンはJ2降格の屈辱を味わったが、2024シーズンは再びJ1昇格を達成。ボール保持・非保持にポジションが入れ替わる可変システムからは、ミシャ式を彷彿とさせる戦術的な緻密さが感じられた。
2025シーズンは直近のJ1リーグで6連敗を喫したところで監督を退任することになったが、四方田は他クラブの指揮官就任の噂が絶えない。
“魔境”とも称されるJ2リーグの勝ち抜け方を知っているため、J2クラブから声がかかる可能性は十分にあるだろう。