「ミスがありました。細かい部分ももっと…」
望月は192センチの長身で、さらにスプリント力や跳躍力は圧倒的だ。しかも最後まで走り切る、スプリントを繰り返せるタフさもある。国士舘大から加入したばかりだった昨季は「育成枠」の気配もあった。ただ今季は町田にとって欠かせない戦力となり、「世界レベル」への成長曲線を描いている。
例えば課題だったクロスの成功率は格段に上がったし、逆足のスキルも伸びている。しかし、この1カ月は様々な試練も経験していて、広島戦はその一つだった。
広島戦のプレーが決して悪かったわけではない。マッチアップした左ウイングバック東俊希、菅大輝とは攻守で五分以上に渡り合っていた。
それでもよく言えば謙虚、ともすると自己評価が低いところは望月の特徴だ。もちろん敗戦後というタイミングもあるが、他にも自分の状況判断ミスについてこう言及していた。
「自分としてはロングボールのスライドだったり、ミスがありました。細かい部分ももっと上げていきたいなと思います」
なお広島戦で望月が記録した1試合の総走行距離は11.784キロで、スプリントの回数は22本。どちらもチーム最多なのだが、普段は「12キロ台」「30本」が平均値で、それを考えるといつも程は動けていなかった。
望月は今まさに「激動の日々」を送っている。
彼は日本代表として日本時間9月10日にアメリカ・オハイオ州で開催されたアメリカ合衆国代表戦に出場すると、12日の横浜FC戦に途中出場。16日のAFCチャンピオンズエリート(ACLE)・FCソウル戦にフル出場して得点を決め、23日の京都サンガF.C.戦に先発、27日のファジアーノ岡山戦にも途中出場している。30日にはマレーシアへ遠征して、ACLEのジョホール戦に先発出場した。そこから中3日の広島戦だった。
要は1カ月で日本とアメリカ、日本とマレーシア、町田と京都、町田と広島を往復し、7試合に出場した。
さらに10月前半の代表活動にも招集されていて、10日のパラグアイ代表戦、14日のブラジル代表戦でプレーする可能性がある。