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J1 2か月前

意外!? Jリーグ、特別指定で在籍したチームに加入しなかった選手5人。別の道を歩んだ男たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

 「JFA・Jリーグ特別指定選手制度」は現在、受入先のJクラブにプロ選手として加入することが内定していることを条件としている。しかしそれ以前は、受入先クラブへの加入が内定せずとも、特別指定選手としてプロクラブ入りする例もあった。それゆえに、必ず受入先クラブでプロとしての道を歩むとは限らなかった。今回は、実は特別指定選手としてプレーしていたクラブではなく、他クラブでプロ入りした主なJリーガーを紹介する。[2/5ページ]

FW:小林悠(こばやし・ゆう)

小林悠
【写真:Getty Images】

生年月日:1987年9月23日
登録先(特別指定選手):水戸ホーリーホック
加入先:川崎フロンターレ

 小林悠といえば、川崎フロンターレ一筋で今なおプレーを続けているストライカーというイメージが強い。

 だが、特別指定選手時代の受入先は川崎ではなく水戸ホーリーホックであり、小林がプロデビューの場として水戸を選ぶことはなかった。

 拓殖大学在学中の2008年7月、小林は特別指定選手として水戸に所属することが決定する。

 当時のチームで怪我人が多発していたこともあり、直後のヴァンフォーレ甲府戦(J2 第27節)に先発出場。2008シーズンはゴールやアシストこそ付かなかったものの、リーグ戦5試合に出場した。

 水戸でプロの世界を肌で感じた小林。だが、2010シーズンに加入したのは川崎だった。

 小林の口から水戸ではなく川崎を選んだ明確な理由は語られていないが、拓殖大学時代に負った故障からの回復を川崎が待ってくれたという背景は加入の大きな後押しとなった可能性がある。

 川崎加入後の小林は、2トップの相棒となった大久保嘉人から点取り屋の矜持を学び、一流のストライカーに成長。チームの得点源として活躍し、リーグMVPや得点王といった称号を獲得するまでに至った。

 38歳となった小林は、今もなお川崎で現役を続行。稼働時間は少なくなったものの、2025明治安田J1リーグで12試合に出場して1得点をマークしている。

 プロ入り16年目を迎えたベテランのキャリアを遡ってみると、大学生プレーヤーに信頼を寄せてチャンスを与えた水戸の存在が光っている。

 水戸での下積み時代なくして、後の小林の活躍はなかったのかもしれない。

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