明治安田J2リーグの2025シーズンが終盤戦に突入している。今シーズンは2度の移籍期間もあり、シーズン中にどのチームも補強を行った。今回は、データサイト『transfermarkt』のJ2クラブの総市場価値をランキング形式で紹介する。※市場価値やスタッツなどのデータは10月7日時点。[4/5ページ]
17位:いわきFC
【写真:Getty Images】
クラブ市場価値:538万ユーロ(約9億1460万円)
最も市場価値の高い選手:山下優人(45万ユーロ/約7650万円)
2023年にクラブ史上初のJ2昇格を果たしたいわきFC。初年度は18位、2年目は9位と着実にステップアップを重ね、今季は勝負の3年目を迎えている。
2012年に創設された新興クラブでありながら、チーム総市場価値は538万ユーロ(約9億1460万円)に到達。わずか10年余りで、急速な成長を遂げてきた。
今季は開幕9試合未勝利という苦しいスタートを切ったが、第10節のカターレ富山戦でようやく今季初勝利を挙げると、そこから3連勝と息を吹き返した。
その後も浮き沈みはあるものの、要所で勝ち点を拾い、現在は10位につけている。昇格3年目のクラブとしては健闘していると言えるだろう。
しかし、クラブにとって大きな痛手となったのが、エース谷村海那の移籍だ。
昨季J2で2位タイとなる18得点を挙げ、今季もチームトップの9得点を記録していたストライカーは、市場価値が75万ユーロ(約1億2900万円)にまで上昇し、まさにクラブの象徴的存在となっていた。
その流出は戦力面だけでなく、クラブの総市場価値にも直結する大きな損失となった。
それでもクラブは独自の強みを磨き続けている。
2017年には練習場や商業施設を併設した複合施設「いわきFCパーク」を開業。最新のトレーニング機器を導入し、徹底したフィジカル強化に取り組んできた。
その成果はデータにも表れており、空中戦勝利数はリーグ2位、タックル総数はリーグ1位と抜群の対人能力を誇っている。
独自路線で急成長を遂げてきたいわきFC。J2での安定を確立し、さらなる高みを目指すためには、クラブ哲学を貫きつつも、柔軟さを持って進化できるかが昇格への大きなカギとなりそうだ。