2025シーズンの明治安田J1リーグが終盤に差し掛かっている。今季も多くの激闘が繰り広げられ、順位の変動も度々見られている。戦力の拮抗はあまたの興奮を生み出し、前評判を覆す躍進を見せるチームもその都度現れる。今回は、歴代優勝クラブの中で最も苦戦した、すなわち勝率が低かったチームをランキング形式で紹介する。※公平を期するため、2ステージ制のシーズンは除外。勝率で並ぶ場合は負け試合の多い方を、それでも同格の際には得失点差が小さい方を上位とする。成績などは『Transfermarkt』を参照[1/5ページ]
5位:ガンバ大阪(2014年)

【写真:Getty Images】
勝率:55.9%
成績:34試合19勝6分9敗(得失点+28)
2014シーズンのJ1は順位が激しく入れ替わり、浦和レッズが首位に立つ時間が長かったものの、終盤一気にまくったチームが存在する。
それが、前年度にJ2を制覇したガンバ大阪。2部リーグで総得点99ゴールをあげた破壊力は、トップカテゴリーに帰ってきても猛威を振るった。
とはいえ、先述の通り最初から順風満帆ではなかった。
リーグ第14節終了までに3回も降格圏である16位に沈み、とりわけ武器だったはずの得点力が鳴りを潜めた。
この状況を打破したのが、宇佐美貴史の復調と7月にレンタルでチームに加入したパトリックだ。
左腓骨筋腱脱臼の怪我により出遅れた宇佐美は、復調後に獅子奮迅の働きを見せた。
先発に復帰したリーグ第12節・徳島ヴォルティス戦でゴールをあげ、最終的にリーグ戦で10得点を記録している。
同年のヤマザキナビスコカップ(現:YBCルヴァンカップ)ではサンフレッチェ広島とのファイナルを含む6試合で5得点をあげ、天皇杯の決勝・モンテディオ山形戦では2ゴール1アシストの大活躍を披露した。
リーグ戦で猛烈な追い上げを見せたガンバ大阪は結果としてこの年に3冠を達成。その立役者のひとりは間違いなく宇佐美だった。
2015シーズンもチームの主力として活躍すると、同選手は2度目のドイツ挑戦へ。
2016年7月、ガンバユースが生んだ逸材はアウクスブルクへと完全移籍で加入した。