2025シーズンの明治安田J1リーグが終盤に差し掛かっている。今季も多くの激闘が繰り広げられ、順位の変動も度々見られている。戦力の拮抗はあまたの興奮を生み出し、前評判を覆す躍進を見せるチームもその都度現れる。今回は、歴代優勝クラブの中で最も苦戦した、すなわち勝率が低かったチームをランキング形式で紹介する。※公平を期するため、2ステージ制のシーズンは除外。勝率で並ぶ場合は負け試合の多い方を、それでも同格の際には得失点差が小さい方を上位とする。成績などは『Transfermarkt』を参照[2/5ページ]
4位:サンフレッチェ広島(2013年)
勝率:55.9%
成績:34試合19勝6分9敗(得失点+22)
2013シーズンにロケットスタートを切ったのは、当時9年ぶりの優勝を狙う横浜F・マリノスだった。
開幕6連勝を記録したチームの特筆すべきは、その時点で19得点をあげた驚異的な攻撃力だ。
中村俊輔を中心に、リーグ第2節・清水エスパルス戦でハットトリックを記録したマルキーニョス、サッカー日本代表に初選出されるほどの輝きを放った齋藤学らがチームの攻撃をけん引した。
最終的に王座に輝く、前年度覇者のサンフレッチェ広島は、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)での苦戦も相まって序盤は大いに苦戦を強いられた。
同年はFIFAコンフェデレーションズカップの開催にともなってリーグ戦の中断期間が設けられたが、それ以前の広島の最高順位は4位だった。
翌年のACL圏内がわずかに見えるというラインの成績で、中断前のリーグ第13節までは中位程度に甘んじていた。
しかし、コンフェデ閉幕後の第14節以降は怒涛の追い上げを見せる。
第23節から3連敗を喫するも、立て直しに成功して即座に3連勝。リーグの優勝争いは最終節まで持ち越された。
広島はリーグ最終節で鬼門とされる鹿島アントラーズの本拠地『茨城県立カシマサッカースタジアム(現:メルカリスタジアム)』に乗り込むと、この大一番に2-0で勝利。
マリノスが最終盤に失速したこともあり、広島の逆転優勝という形でリーグは決着。現サッカー日本代表を率いる森保一監督は、チームを連覇に導いた。
グループステージ敗退に終わったACLなど、過密日程や国際舞台をどう乗り切るかは課題として残ったが、この時の戦いぶりは今の名門然とした姿に繋がっているはずだ。
