2025シーズンのJリーグも終盤に差し掛かっている。この時期の大一番のひとつに、JリーグYBCルヴァンカップの決勝戦がある。「Jリーグヤマザキナビスコカップ」時代から熱戦が繰り広げられ、歴史としてはリーグ本編よりも長い。今回は、同トーナメントの決勝戦において最も観客数を集めたビッグマッチをランキング形式で紹介する。※『J. League Data Site』で参照できる1999年以降が対象。[2/5ページ]
——————————
9位:北海道コンサドーレ札幌対川崎フロンターレ(2019年)
観客数:48,119人
開催地:埼玉スタジアム2002
2019年に埼玉スタジアム2002で行われた北海道コンサドーレ札幌対川崎フロンターレが、今回のランキングで9位に入った。
地理的にはアウェイと見られる札幌にも多くのサポーターが駆けつけ、北国のチームを鼓舞する声援がスタジアム内にこだました。
史上初の国内主要タイトル獲得に向け、ファンの気合も十分だった。
対する川崎も、すでにJリーグのタイトルは獲得していたものの、カップ戦制覇は天皇杯も含めて未踏。JリーグYBCルヴァンカップ(Jリーグヤマザキナビスコカップ時代を含む)決勝にはこのときを含めて5回も進出しているが、シルバーコレクターぶりを発揮していた。
悲願達成に向け、緊迫した雰囲気に包まれた埼スタ。両チームのサポーターの熱心な応援に支えられた一戦は、同カップ戦の長い歴史の中でも屈指の名勝負となった。
当時札幌に所属していた菅大輝のファーストゴールによって幕をあけたシーソーゲームは、延長戦を含めた120分で3-3の同点。後半アディショナルタイムでの深井一希のイコアライザーや、ひとり少ない状況での小林悠の同点弾など劇的な展開が多く、両サポーターは天国と地獄を右往左往していた。
PK戦までもつれた結果、GK新井章太が2本シュートを止めて、川崎の勝利に繋げた。殊勲の活躍を見せた守護神は、大会MVPにも選ばれている。
5度目の挑戦にして初の頂点。鬼木達監督(当時)率いるチームはこのあと数年間にわたって最強の時代を築いていくが、その幕開けのようなタイトル獲得だった。
