2025シーズンのJリーグも終盤に差し掛かっている。この時期の大一番のひとつに、JリーグYBCルヴァンカップの決勝戦がある。「Jリーグヤマザキナビスコカップ」時代から熱戦が繰り広げられ、歴史としてはリーグ本編よりも長い。今回は、同トーナメントの決勝戦において最も観客数を集めたビッグマッチをランキング形式で紹介する。※『J. League Data Site』で参照できる1999年以降が対象。[3/5ページ]
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8位:鹿島アントラーズ対ガンバ大阪(2015年)
観客数:50,828人
開催地:埼玉スタジアム2002
2015年に埼玉スタジアム2002で行われた鹿島アントラーズ対ガンバ大阪には、50,828人もの観客が詰めかけた。
通算6度目のJリーグヤマザキナビスコカップ制覇を目指す鹿島と、大会連覇を目指すガンバとの一騎打ち。主要タイトルをかけた決勝戦における両チームのマッチアップは、これが初めてだった。
5万人超の大観衆は、この時点で2004年以来。“オリジナル10”の名門対決は、両チームのサポーターのみならず多くのサッカーファンを魅了した。
試合巧者ぶりを見せたのは、常勝・鹿島。前半をスコアレスで折り返したが、序盤から主導権を握り幾度も決定機を創出した。
後半には東口順昭のファインセーブによってガンバに流れが渡りそうな場面もあったが、60分に小笠原満男の左コーナーキックからファン・ソッコがヘディングで合わせネットを揺らす。
その後もペースを握った鹿島は、金崎夢生とカイオが立て続けにネットを揺らし、勝負を決定づけた。
結局試合は3-0で石井正忠監督(当時)率いる鹿島が勝利し、盤石の内容でタイトルを掴み取った。
終わってみれば、ガンバのシュート本数「5」に対して鹿島は「25」。決して相手にリズムを作らせない戦いぶりが、終始徹底されていた。
この年の鹿島はトニーニョ・セレーゾ監督をシーズン途中で解任しており、必ずしも順風満帆ではなかった。
それでもカップ戦を制覇するところに、最多タイトルホルダーとしての矜持と底力が表れていた。
