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J1 1か月前

来季も続投? Jリーグ、結果が出なかった監督5人。理由は戦術の不一致か、人員不足か

 明治安田J1リーグは第35節を終え、いよいよ大詰めとなってきた。今季は例年以上に混戦模様であり、監督の力量の差も勝敗にかなりのウエイトを占めているように感じられる。今回は、今季のJ1リーグで思うような成績を残せなかった監督を5人ピックアップして紹介する。[3/5ページ]
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長谷川健太


【写真:Getty Images】

監督就任:2022年1月
所属クラブ:名古屋グランパス
今季リーグ戦成績:10勝10分15敗(16位)

 名古屋グランパスの監督を務める長谷川健太に、続投の未来は訪れるのだろうか。

 2016年にクラブ史上初となるJ2降格を喫した名古屋は、翌年即座にJ1昇格を果たす。J2で3位に終わった名古屋は、昇格プレーオフを経てサポーターの期待に応えた。

 2017シーズンに風間八宏監督が攻撃重視のサッカーをチームに植え付けると、2019シーズン途中に就任したマッシモ・フィッカデンティ監督が組織的な守備を構築。ポゼッションと堅守速攻の両輪がチームに浸透した。

 その甲斐もあってか、2020年には9年ぶりとなるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場権を獲得。その翌年にはYBCルヴァンカップを制覇し、クラブに2010年以来となる主要タイトルをもたらしている。

 名古屋をタイトル獲得に導いたフィッカデンティには、もちろん契約更新の話が持ちかけられると思われた。

 だが、クラブ側は対応を一変させ、同監督は2021シーズン限りでの解任となった。

 その後任として監督に招聘されたのが長谷川だったのだ。

 同氏ははそれまでの守備重視のサッカーをベースに、攻撃的な戦術を掲げた。

 2022シーズンはリーグ最少となる35失点、2023シーズンは終盤までACL出場権争いに絡むなど光る部分はあった。

 だが、同年夏にマテウス・カストロが退団して以降の攻撃力低下に代表されるように、「個の力」に依存したサッカーだったことは大きな懸念材料だった。

 この不安は、この年のシーズンオフに中谷進之介、藤井陽也、丸山祐市と3バックの主力が相次いで退団したことで露呈する。

 2024シーズン、開幕戦の鹿島アントラーズ戦で0-3の完敗を喫すると、そのまま開幕3連敗。その後順位を持ち直した時期もあったが、天皇杯でアマチュアのJAPANサッカーカレッジに敗れるなど、長谷川グランパスに限界説が流れ始めた。

 この年はなんとかルヴァンカップに優勝し、同監督の面子は保たれたが、それも一時的なもの。

 今季は開幕6戦で2分4敗と最悪のスタートを切ると、そのまま低空飛行を続け、ボトムハーフから抜け出すことは1度もなかった。

 シーズン中は1回も3連勝を記録しておらず、長谷川政権下でこれ以上の伸びしろは感じられない。

 名古屋は長谷川にこれ以降も長期政権を任せるのだろうか。

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