2025明治安田Jリーグもいよいよ最終盤に突入している。今季も素晴らしいプレーでファンを魅了してくれた選手たちがいる一方で、実力があるにも関わらずあまり試合に絡めていない選手も存在する。今回は、J1で出場時間100分以下のタレント10人をピックアップ。紹介するラインナップには、なぜアピールの機会を与えられていないのか首をかしげたくなるような実力者や、不運な負傷によってピッチから遠ざかっている選手が含まれている。※データは『Transfermarkt』『Jリーグ公式サイト(J1.LEAGUE STATS)』を参照。データは11月4日時点。[1/5ページ]
——————————
FW:安部裕葵(あべ・ひろき)

【写真:Getty Images】
生年月日:1999年1月28日
所属クラブ:浦和レッズ
2025リーグ戦成績:1試合0得点0アシスト
2025リーグ戦出場時間:9分
通常より1270円お得に観るならDMM×DAZNホーダイ[PR]
出場時間9分。通常であれば選手として屈辱的な数字と言えるが、安部裕葵の場合は意味合いが全く異なる。
プロデビューした鹿島アントラーズでの輝かしいプレー、そしてその後のバルセロナBへの電撃加入は、安部の今後のキャリアが明るい光で照らされていることを暗示している…。
当時はそう思われていた。
だが、2020年2月に右大腿二頭筋腱を断裂し、順風満帆に思われた旅路に暗雲が垂れ込める。
怪我からの復帰と再離脱を繰り返すようになってしまい、安部の姿をピッチ上で見られる機会は極端に減っていった。
バルセロナBを去り、2023年7月に浦和レッズへ完全移籍しても、怪我による負のスパイラルは続いた。
それどころか、加入2年間での試合出場は親善試合の1試合のみ。キャリア終幕すらも予感させるような危機的状況だった。
10月18日に行われた2025明治安田J1リーグ第34節 横浜F・マリノス戦、ベンチ入りした安部は81分にピッチへ登場。待ちに待った、加入後初の公式戦出場を果たした。
背番号「7」は、9分の出場時間に選手としてプレーできることの喜びと感謝の気持ちを精一杯込めた。
たったの9分。しかし、長らくピッチから遠ざかってきた安部からすれば“恵みの9分”である。
ようやく踏み出した小さくも大きな一歩は、一度止まった安部の時計の針を再び進めていく。