下部リーグへの降格ほど悲しく、恐ろしいものはない。J2リーグに降格後、なかなかJ1リーグへの復帰が叶わず『J2沼』に引きずり込まれてしまうクラブも少なくないからだ。しかし、圧倒的な強さで1年でのJ1復帰を果たした例もわずかにある。そこで今回は、J2降格1年目で無双して「環境破壊」を引き起こした最強チームを紹介する。[4/6ページ]
——————————
RB大宮アルディージャ(当時:大宮アルディージャ)(2015シーズン)

【写真:Getty Images】
監督:渋谷洋樹
RB大宮アルディージャ(当時:大宮アルディージャ)の2015シーズンはあまりに充実していた。
大宮は2014シーズン、J1リーグを16位で終えたことで無念にもJ2リーグへ降格。シーズン途中に就任した渋谷洋樹監督の下でJ1復帰を目指す戦いが始まった。
渋谷監督体制2年目となった2015シーズン、チームはポゼッションサッカーを志向した。
前年に加入した家長昭博を最前線に配置。巧みな足元の技術をもっていた家長はこの采配によって得点能力が開花することになる。
是が非でも昇格したい大宮は、リーグ開幕10試合で5勝3分2敗とまずまずのスタートを切ると、そこから右肩上がりにパフォーマンスを上げていく。
第8節から第19節まで無敗で終えると、チームは首位独走状態へ。
その後、1度も首位の座を明け渡すことなく快進撃を続け、見事にJ2優勝を達成した。
J2の舞台で圧倒的な勝負強さを誇ったチームは、翌2016シーズンにクラブ史上最高順位の、J1・5位を記録する躍進を見せている。