J2は「魔境」と呼ばれることが多い。どんなクラブであれ、このリーグを抜け出すことは難しく、中には何年も同カテゴリーで戦い続けているチームもある。では、J2在籍年数が最も長いクラブはどこなのか。今回は、ランキング形式で紹介する。[3/5ページ]
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8位:東京ヴェルディ

【写真:Getty Images】
J2通算在籍年数:17年
J2在籍期間:2006年~2007年,2009年~2023年
J2最高成績:2位(2007年)
J2在籍年数ランキングで8位となったのは、昨シーズンからJ1の舞台で戦う東京ヴェルディだ。J2通算在籍年数は17年に及ぶ。
Jリーグ開幕当初、数々のタイトルを総なめにした名門クラブだが、2000年代に入るとその輝きは次第に失われていった。
クラブ史上初のJ2降格を味わったのは2005シーズン。輝かしい黄金期の余韻が残る中での失速は、クラブに深い傷跡を残した。
降格から2年後の2007シーズンに2位で再昇格を果たし、最低限の期間でJ1に戻ったかに見えたが、復帰初年度の2008シーズンは17位に沈み、わずか1年で再びJ2の舞台へ。そこから長く暗いトンネルが続くことになる。
J2では幾度となく昇格争いを繰り広げながらも、あと一歩が届かないシーズンが続いた。
育成組織からは多くの有望株を輩出しながらも、チームとしての一体感や資金面の課題が足かせとなり、停滞の時期は想像以上に長かった。
転機となったのは2度目のJ2降格から15年目の2023シーズン。チームは3位でJ1昇格プレーオフに進出し、決勝で清水エスパルスと対戦。試合終盤にPKで同点に追いつき、年間順位で上位のヴェルディが昇格を果たした。
J1在籍経験クラブとしては史上最長ブランクとなる16年ぶりの昇格は、クラブの歴史に新たなページを刻む出来事となった。
昨シーズンは、昇格組ながら6位という堂々たる成績を収めている。そして、今季も苦しみながらもJ1残留を確定。かつての常勝軍団がようやくトップリーグで戦う土台を築きつつある。
依然としてJ1クラブの中では資金力で劣るが、若手主体の育成路線と堅実な補強方針により、クラブの再生は確実に進んでいる。
当面の目標はJ1の常連として定着することだろう。