名古屋グランパスは12日、長谷川健太監督が今季限りで契約満了となることを発表した。「タイトル請負人」が就任4季目に獲得した選手たちのパフォーマンスはどうだったのか。今回は、新戦力として大きな存在感を示した選手をランキング形式で紹介する。[4/5ページ]
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2位:マテウス・カストロ
生年月日:1994年9月11日(31歳)
今季のリーグ戦成績:25試合5ゴール2アシスト
「悪魔の左足」が帰ってくる。その知らせは、名古屋グランパスのサポーターにとって胸が高まる朗報だっただろう。
マテウス・カストロは、名古屋の攻撃を牽引する存在だった。2014年に来日した同選手は、2019年に名古屋に完全移籍で加入した。
翌年に就任したマッシモ・フィッカデンティ監督の下で定位置を掴み、自慢の左足からゴール・アシストを量産した。
組織的な守備を重視するフィッカデンティの指揮により、名古屋は堅守を手に入れたものの、攻撃力向上には苦しんだ。
そんな状況で、マテウスは「理不尽」とも思える強烈なシュートや鋭いパスで強引にチャンスメイク。単騎で突破口を開き、チームの攻撃に欠かせない存在となった。
長谷川健太監督の下でも重用されたマテウスだったが、Jリーグで無双するブラジル人FWに海外クラブが目を向けないはずもなく、2023年夏にアル・タアーウン(サウジアラビア)に引き抜かれた。
このシーズンの前半戦、名古屋は3位でシーズンを折り返していたが、マテウス退団により堅守速攻の勝ちパターンが崩壊。チームは最後までこの課題を解決できず、優勝争いから脱落してしまった。
名古屋にとってあまりにも大きな損失だったが、幸運なことに今年1月にマテウスのフリー移籍での復帰が発表された。
就任4年目の長谷川監督は「リーグ優勝」を目標に掲げたが、それにはやはりマテウス復帰が大きな後押しをしたはずだ。
再び赤黄のユニフォームに身を包んだマテウスは、その実力をしっかりと発揮した。今季はここまでリーグ戦25試合に出場し、5ゴール2アシストを奪取。チーム2位タイの得点数を記録している。
ただ、今回ランキング2位としたのは負傷により2度戦列を離れてしまったからだ。
今季は7月に「右足関節捻挫」によりリーグ戦7試合を欠場し、10月に「左前十字靭帯損傷」による戦線離脱が確定した。
アル・タアーウン時代にアキレス腱断裂を経験したことから、今季は前回所属時のインパクトを放つことはできていないが、それでも彼の存在はチームの浮沈を左右する。マテウス不在の期間にチームは残留争いに巻き込まれた。
度重なる負傷に苦しむマテウスだが、本調子の彼の恐ろしさはリーグの誰もが知るところ。まずは治療に専念してもらいたい。
