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コラム 2週間前

「完全に勘違いしていた」サッカー日本代表、久保建英が味わった3年前の挫折。あれから「僕が成長した部分なのかな」と感じたこと【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images
サッカー日本代表の久保建英
【写真:Getty Images】



 サッカー日本代表は18日、キリンチャレンジカップ2025(国際親善試合)でボリビア代表と対戦し、3-0の勝利を収めた。ガーナ代表戦に続きスタメン出場した久保建英は、開始早々に鎌田大地のゴールをアシストし、違いを見せつけた。挫折を味わったカタールワールドカップ(W杯)から3年。森保ジャパンの中核へと登り詰めた24歳は、次のW杯へ静かに闘志を燃やしている。(取材・文:藤江直人)[2/2ページ]
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「完全に勘違いしていた」

「よく言えばチームのために戦えたけど、悪く言えば自分のやりたいプレーがまったくと言っていいほどできなかった。チームから課されるタスクを実践しながら、自分のプレーもできると思っていた。しかし、そこまでの個の力がなかった。自分の見積もりが甘かったというか、完全に勘違いしていた」

 もちろん、下を向き続けるわけにはいかない。久保は新たな誓いとともにカタールを後にしている。



「次のワールドカップで、僕は25歳になっている。25歳ならば代表の中核になっている選手がどこの国にもいるし、もう言い訳もできなくなる。自分がそういった存在になれるように、大事なのは結果だと言い聞かせながら、今度こそ僕にできるプレーの最大値を発揮できるようなワールドカップにしたい」

 次回ワールドカップへ捲土重来を期す久保は、引き続き指揮を執る森保一監督のもと、国際Aマッチデー期間中に行われた試合や大陸選手権のアジアカップのすべてに招集されてきた唯一の選手となった。

「そのひと言をもらえるだけで…」

「あれから離脱なく代表に選ばれている、というのは僕の日頃のプレーをしっかり見てもらえていたのと、あとは僕自身も大きな怪我もなくここまで来られたのも大きいのかなと思っています」

 第2次森保ジャパンで皆勤を続ける久保は今年に入って、チーム内の序列があがったと実感している。3月20日のバーレーン代表戦で1ゴール1アシストをマーク。来年6月開幕の北中米大会出場権獲得に大きく貢献すると、中4日で迎えたサウジアラビア代表戦でも再び先発を託された。

 同じ国際Aマッチデー期間で2試合ともに先発するのは、実は初めての経験だった。しかも、キックオフ前には名波浩コーチから「信頼しているよ」と声をかけられた久保はこんな言葉を残している。

「そのひと言をもらえるだけで選手はうれしい。僕が成長した部分なのかな、と思いました」



 ブラジルとの再戦で歴史的な初勝利を逆転でもぎ取った10月シリーズで満を持して先発した久保は、ガーナおよびボリビア両代表に連勝した11月シリーズでも、再びともに先発に名を連ねた。

 右肩上がりの軌跡とともに2025年の代表活動を終えた久保は、森保ジャパン内での立ち位置の変化を問われると、人懐こい笑顔を浮かべながら「どう思っていますか」と逆に質問してきた。そして「若きリーダーになったと思っています」と返ってくると、ちょっぴりうれしそうにこう答えている。

「そのように思ってもらえているなら、ありがたいです」

 次の国際Aマッチデー期間は来年3月。時間が空く一方で、ヨーロッパではシーズンが続く。

「要らないリスクなんじゃないですかね」

「自チームに帰って切り替えて、週中にカップ戦などがないときには、自分にできる何かを探して能力をあげつつ、コンディションもしっかりとあげて数字、内容ともに追い求めていきたい。もちろん試合のほうが楽しいんですけど、練習でできるものも増えるので、せっかくのチャンスだと思って取り組んでいきたい」

 4シーズン目を迎えているソシエダで何をすべきなのか。ビジョンが明確に描かれているからこそ、今冬の移籍を自ら封印した。イングランド・プレミアリーグのトッテナムが獲得を目指すと今回の日本滞在中に英国メディアが報じ、スペインメディアも後追いした一件を、久保ははっきりと否定した。



「要らないリスクなんじゃないですかね。冬の移籍はさすがにないと思います」

 国際Aマッチ通算100試合に到達した森保ジャパンが喫した17敗のうち、2025年にオーストラリアとアメリカに苦杯をなめている。しかし、久保が先発した試合に限れば5勝2分けと無敗となっている。

 チームの結果にも影響を与える存在になりつつある24歳は、ソシエダでの順調な日々が北中米大会につながると信じ、万難を排しながら2度目のW杯へと突き進んでいく。

(取材・文:藤江直人)

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【了】

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