FC町田ゼルビアは11月22日、天皇杯 JFA 第105回全日本サッカー選手権大会・決勝でヴィッセル神戸と対戦し、3-1で勝利した。クラブ創設37年目で悲願の初タイトルを獲得した町田。加入2年目の昌子源は「チームとしても相当な覚悟を持って挑んだ一戦」と振り返り、キャプテンとしての責務を果たそうとしていた。(取材・文:竹中愛美)[2/2ページ]
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昌子源が「キャプテンじゃなきゃ…」。タイトル獲得で新たに芽生える思い
「源くんがキャプテンじゃなきゃ、ここまでまとまんなかったなと思います。俺と相馬(勇紀)が結構うるさくチームに言うので、それを源君、(副キャプテンの下田)北斗君がうまくコントロールしてくれて、自由にやらせてもらっているところもある。本当に僕からは大きな感謝を述べたいなと思います」
昌子はこの日も守備の要として最終ラインを統率し、体を張って相手の攻撃を何度も跳ね返し続けた。
試合終了間際には、ヴィッセル神戸の武藤嘉紀が突破を試みようとしたが、昌子がすかさず体を入れて阻止。一度は倒れるも立ち上がり、最後は蹴り出してクリアした。両手でのガッツポーズが昌子の気迫を物語る。
国内3大タイトルのうち、明治安田J1リーグとYBCルヴァンカップの制覇が潰え、残された天皇杯。泥臭くても結果が欲しかった昌子にとっては、ひとつキャプテンとしての責務が報われた瞬間でもあったろう。
「すごく長く感じた2年」で手にしたタイトルにも、昌子には新たな思いが芽生えているようだ。
「来年以降、絶対にまたこの瞬間を味わいたくなる。僕がずっとそうなんで。みんなには伝えてないですけど、それを常に求めるサッカー人生でありたいなと思っているので、僕個人は。
もう1度タイトルをって思うので、今はすごい嬉しさといろんなものが感情としてありますけど、もしかしたらあしたになったら、きのうのあの光景をもう1回味わいたいなってたぶん思ってると思います」
きっと、あすには、近いうちにはチームメイトにこの思いを伝えているのではないだろうか。昌子が背負ってきた重責や経験が町田にさらにもたらされれば、次なる高い目標も超えていけるかもしれない。
(取材・文:竹中愛美)
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