2023年からの2シーズンを降格圏ギリギリで終えた柏レイソルは、今季開幕前に大型補強を敢行した。新任のリカルド・ロドリゲス監督のもと、クラブは2025明治安田J1リーグで優勝争いを演じている。今回は、その原動力となった補強選手をランキング形式で紹介する。[2/5ページ]
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4位:原田亘(はらだ・わたる)

【写真:Getty Images】
生年月日:1996年7月22日
今季のリーグ戦成績:30試合2ゴール0アシスト
現在29歳の原田亘のシニア選手としての船出は、当時JFLのFC今治からだった。
下位カテゴリーでキャリアを始めた同選手は、1年目の2019シーズンから主力としてリーグ戦30試合に出場。本職の右SBだけではなく、左SBや右ウイングもこなした。
J3へと昇格した翌シーズンもレギュラーとしての起用は続き、今治で評価を高めた原田は、2022年に当時J1を戦っていたサガン鳥栖への加入を果たすことに。
2022シーズンはCBとして、翌シーズンからは右SBを主戦場に、同クラブで公式戦98試合に出場した。
しかし、鳥栖は昨季リーグ最下位でJ2降格を喫してしまう。原田は引き抜かれる形で、柏レイソルへと移籍している。
リカルド・ロドリゲス監督から与えられたポジションは3バックの右CB。このポジションでの起用により、今治時代から様々なポジションをこなしてきた原田のマルチロール性が一段と研ぎ澄まされることとなった。
守備時には最終ラインで冷静な判断で相手の攻撃を処理し、ときにはガッツあふれるプレーでチームのピンチを救ってきた。
攻撃時には、右WBのサポートのためにインナーラップやオーバーラップなど対応を柔軟に変化させられる。
ときには最前線に顔を出すなど、右サイドに幅と連動性を生み出すことができる。
前線のシャドーに供給する縦パスは、柏にとって攻撃開始の合図となり、CBとは思えないほどの身軽なプレーで、チームの攻撃に厚みをもたらしている。
元々複数ポジションを無難にこなせる選手ではあったが、柏ではそのポジションごとの良い部分を掛け合わせたようなプレーをピッチ上で表現している。
29歳の苦労人は、これまでのキャリアで積み上げてきた経験値によって、柏をJリーグ屈指の魅力的なチームにしている。