2023年からの2シーズンを降格圏ギリギリで終えた柏レイソルは、今季開幕前に大型補強を敢行した。新任のリカルド・ロドリゲス監督のもと、クラブは2025明治安田J1リーグで優勝争いを演じている。今回は、その原動力となった補強選手をランキング形式で紹介する。[4/5ページ]
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2位:久保藤次郎(くぼ・とうじろう)

【写真:Getty Images】
生年月日:1999年4月5日
今季のリーグ戦成績:29試合7ゴール4アシスト
柏レイソルは、久保藤次郎の能力が最大限生かされる環境だったようだ。
2021年に当時J3の藤枝MYFCでプロキャリアをスタートさせた久保は、2年目の2022シーズンにリーグ戦10ゴール6アシストを記録し、ブレイクした。
J2へとステージが上がった翌シーズンも、同5ゴール8アシストと、その実力を発揮し続けてきた。
この活躍が評価され、2023年には名古屋グランパスに加入している。
ただ、藤枝時代に見られた、まさに間隙を突くようなドリブルは名古屋では徐々に減少。小柄な体格ゆえの守備面での不安定さも露呈し、右WBのレギュラーを掴むことは出来なかった。
昨夏にレンタル移籍で加入したサガン鳥栖でも目立った活躍を示せず。久保は新たなプレー先として柏を選択している。
この決断が、同選手のキャリアを一変させるものとなる。
特に変わったのが、ドリブル、シュートの積極性だ。以前までの思い切りの良さを取り戻し、相手が手を焼く突破力を身につけ始めた。
さらに、場面に応じてパスを出す冷静さも手に入れた。外からのクロス、ときには中に入ってワンツーで抜け出し決定機を演出するなど、攻撃の手札が一気に豊富になった。
守備でもしつこく相手についていき、フリーになる時間を与えない。間違いなくJリーグでトップ3に入る右WBだ。
この活躍が認められ、7月にはEAFF E-1選手権の日本代表メンバーにも選出された。
苦しい日々を経て、黄色をまとったサイドアタッカーは、ついに日の丸を背負う選手へと成長したのだ。