今季の明治安田J1リーグは残り2試合となり、クライマックスが近づいている。今季も多くの若きタレントが台頭した一方で、怪我によって本来のパフォーマンスを発揮できなかった実力者も少なくない。昨季のMVPから代表クラスの選手まで、怪我に苦しめられた選手を紹介する。※スタッツはデータサイト『Transfermarkt』を参照。情報は11月26日時点。[4/5ページ]
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GK:シュミット・ダニエル
生年月日:1992年2月3日(33歳)
所属クラブ:名古屋グランパス
今季リーグ戦成績:7試合9失点(クリーンシート1回)
今季のJリーグは、例年に比べて欧州リーグからJリーグに復帰した実力者が多く、彼らの去就が大きな話題となった。
ベルギーリーグでプレーしていたシュミット・ダニエルもその一人だ。
同選手は今年1月にベルギーのヘントから名古屋グランパスへ完全移籍。楢﨑正剛、ミッチェル・ランゲラックと続く背番号1の系譜を受け継ぐ存在として期待されたが、蓋を開けてみると怪我に泣かされるシーズンとなった。
文字通り、不運の連鎖である。
最初の負傷は、シーズン開幕を控えた1月の沖縄キャンプ中。「右膝内側半月板」を損傷し、開幕に間に合わなかった。
3月末の第7節・横浜FC戦で復帰を果たしたものの、5月のトレーニング中に今度は「右臀部肉離れ」の怪我を負った。
その間にチームでは、19歳のピサノ・アレックス幸冬堀尾が台頭した。ピサノは勢いそのままに東アジアE-1サッカー選手権で日本代表デビューを果たし、背番号1の立場はより厳しいものとなってしまった。
試練は続く。6月末にチームに復帰し、8月13日に開催された天皇杯の東京ヴェルディ戦で先発の機会を得たが、68分に左足を押さえてピッチにうずくまり、担架で運ばれた。
診断は「左ハムストリング肉離れ」。開幕前から数え、これで今季3度目の離脱となった。
2026年のFIFAワールドカップ(W杯)北中米大会を目指す33歳にとって、試合勘を取り戻したいこの時期での度重なる負傷はあまりに残酷だ。
197cmの長身を生かしたセービング、足元の確かな技術、そして豊富な経験値。シュミットが本来持つ能力はリーグ屈指のものだ。
来季こそは怪我に悩まされることなく、その実力を存分に発揮してほしい。
