クラブの収益のためにも、スタジアムの雰囲気を高めるためにも、サッカークラブにとって、観客の存在は欠かせない要素である。多くの観客を呼び込むためには、スタジアムの立地も重要だが、理想的な場所に拠点を構えることができないクラブも多くある。今回はJリーグ全クラブを対象に、最寄り駅からスタジアムまでの距離を『Googleマップ』で調査。距離が遠い順にランキング化して紹介する。[2/5ページ]
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9位:ケーズデンキスタジアム水戸
使用クラブ:水戸ホーリーホック
最寄り駅:赤塚駅
徒歩:63分
距離:4.6km
水戸ホーリーホックの本拠地「ケーズデンキスタジアム水戸」は、JR赤塚駅から4.6kmの距離にある。
徒歩では1時間近くかかるため、クラブ公式サイトではバスでのアクセスが推奨されており、赤塚駅から路線バスでの所要時間は約15分だ。
一方で、水戸駅からも路線バスが出ており、こちらは約30分。距離は赤塚駅より遠いが、交通の便や本数を考慮すると、水戸駅からの移動が主流となっている。
ただし、水戸駅からスタジアムまでは約8km。公共交通機関の利便性が決して高いとは言えず、多くの観客は自家用車で来場するのが現実だ。
水戸市は茨城県最大の人口を誇る県庁所在地であり、試合日にはスタジアム周辺の駐車場の出入りなどで恒常的に渋滞が発生する。
そのため、車で訪れる場合は時間に余裕を持った行動が求められる。
2025シーズンのJ2も最終節を残すのみとなり、水戸は現在2位につけ、クラブ初のJ1昇格にあと一歩と迫っている。
だが、昇格争いのライバルであるV・ファーレン長崎、ジェフユナイテッド千葉、RB大宮アルディージャは、いずれもサッカー専用スタジアムを本拠地としており、設備・環境面ではやや見劣りする印象は否めない。
水戸は2019年に新スタジアム構想を発表したものの、地方都市での巨額投資には慎重な声も多く、計画は停滞しているのが現状だ。
クラブは廃校を利用して練習場として活用するなど、限られた資源の中でアイデアを凝らしながらJ2で躍進を続けているが、J1昇格と定着を目指すには、より魅力的で快適な観戦環境の整備が今後の課題となるだろう。
