クラブの収益のためにも、スタジアムの雰囲気を高めるためにも、サッカークラブにとって、観客の存在は欠かせない要素である。多くの観客を呼び込むためには、スタジアムの立地も重要だが、理想的な場所に拠点を構えることができないクラブも多くある。今回はJリーグ全クラブを対象に、最寄り駅からスタジアムまでの距離を『Googleマップ』で調査。距離が遠い順にランキング化して紹介する。[3/5ページ]
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8位:アシックス里山スタジアム
使用クラブ:FC今治
最寄り駅:今治駅
徒歩:71分
距離:4.9km
FC今治の本拠地「アシックス里山スタジアム」は、2023年に開場した比較的新しいスタジアムで、最寄りのJR今治駅からは4.9kmの距離に位置している。
公共交通機関でのアクセス手段としては、試合日に運行される無料のシャトルバスや、今治駅からのタクシー利用が一般的。路線バスを使うこともできるが、イオンモール今治新都市のバス停で下車後、さらに徒歩で約10分を要する。
また、クラブ公式サイトでは、相乗り型移動サービス「mobi」の利用も推奨されている。
だが、実際の来場手段は自家用車が大半を占めている。
今治市は『田舎暮らしの本』(宝島社)の「2025年版 住みたい田舎ベストランキング」で総合1位に選ばれた地域であり、多くの市民が日常的に車で移動している。
実際、2024年に愛媛県が公表した「地域公共交通計画」によれば、県内の通勤・通学手段は59.3%が自家用車で、鉄道の利用はわずか4.0%にとどまる。
観客の多くは地元ファンであり、人気クラブとの対戦を除けば、公共交通を利用する来場者は限られているのが現状だ。
クラブとしても、むしろ駐車スペースの確保に苦慮している様子で、一般駐車場が満車の場合は、イオンモール今治新都市の駐車場の利用が案内されている。
クラブ史上初のJ2挑戦となった2025シーズン、今治は着実にファンを増やし続けている。
シーズン終了後にはスタジアムの拡張工事が始まり、2026年夏には約3500席が増設され、総収容人数は約8900人に拡大される予定だ。
クラブの成長とともにスタジアムも進化を続けており、今後はアクセス環境のさらなる整備にも注目が集まるだろう。
