今シーズンのJリーグも残りわずかとなり、来季に向けた監督の去就も続々と動きを見せている。激しい優勝争いや残留争いが繰り広げられた大混戦のJ1で、卓越した采配を披露しチームを上位に導いた監督は誰なのか。今回は、今季結果を残した5人の監督を紹介する。[2/5ページ]
——————————
鬼木達(おにき・とおる)
【写真:Getty Images】
生年月日:1974年4月20日
所属チーム:鹿島アントラーズ
2025年リーグ戦成績:21勝7分け8敗(1位)
選手としてプロキャリアをスタートさせた鹿島アントラーズに、今季監督として帰還した鬼木達監督は、ここまで期待通りの結果を残し、優勝まであと一歩のところに迫っている。
鬼木は2017年から2024年までの8シーズン、川崎フロンターレの指揮を執り、リーグ優勝4回、JリーグYBCルヴァンカップ優勝1回、天皇杯JFA 全日本サッカー選手権大会優勝2回という輝かしい実績を残した。
冷静な戦術眼と、選手の特性を最大限に引き出すマネジメント力で知られる、日本サッカー界屈指の名将だ。
そんな鬼木が今季託されたのは、常勝軍団・鹿島の復権。2016シーズンを最後に遠ざかっているリーグタイトルの奪還という、クラブの期待を一身に背負っての就任だった。
リーグ開幕戦こそ湘南ベルマーレに0-1で敗れたものの、鬼木はすぐさまチームを立て直し、第2節から怒涛の4連勝をマーク。
その後、連敗を喫する時期もあったが、苦しい試合をものにする粘り強さを発揮し、着実に勝ち点を積み上げていった。
直近では引き分けが続き、やや足踏み状態となっているものの、リーグ戦で最後に敗れたのは第23節の川崎戦。負けない戦いを続けるその姿勢は、まさにJリーグを熟知した名将ならではの手腕と言えるだろう。
悲願のリーグ制覇まで、あとわずか。果たして彼は、再び鹿島を頂点へ導く大仕事をやってのけるのか。