今季のJ1は大混戦の様相を呈したものの、意外にも残留争いは比較的あっさり決着がついた。その背景の一つとして、クラブ市場価値が影響していると考えられる。今回は、データサイト『transfermarkt』のJ1クラブの総市場価値が低いクラブをランキング形式で紹介する。※市場価値やスタッツなどのデータは11月28日時点。[2/5ページ]
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4位:横浜FC

【写真:Getty Images】
クラブ市場価値:1050万ユーロ(約17億8000万円)
最も市場価値の高い選手:山田康太(80万ユーロ/約1億3000万円)
2025リーグ戦成績:18位(8勝8分20敗)
1年でのJ1復帰を果たして今季に臨んだ横浜FCだが、再び降格の憂き目に遭うこととなってしまった。
今度こそJ1に定着すべく、各ポジションで補強を敢行。しかしクラブ市場価値は1050万ユーロ(約17億8000万円)とJ1全体でも下から4番目に位置し、限られた資金の中での編成を余儀なくされていたことは明らかだ。
開幕前には、将来を嘱望される新保海鈴や経験豊富な駒井善成を獲得し、開幕後にも山田康太やルキアンといったJ1での実績を持つ選手を呼び寄せた。
さらに夏の移籍市場では、アダイウトンやヤクブ・スウォビィクといった即戦力を補強し、クラブは残留のために積極的な動きを見せた。
昨季J2最少失点を誇った堅守をベースに、今季序盤は決して大きく崩れることはなかった。
しかし、第19節から第25節まで悪夢の7連敗を喫したことが、最終的に残留争いを不利に進める大きな痛手となった。
ここ数年の横浜FCは、J1とJ2を行き来するシーズンが続いており、いわばエレベータークラブのような状態にある。
今季は例年に比べるとチームスタイルが確立され、残留への手応えが感じられる時期もあっただけに、悔しさはひとしおだろう。
とはいえ、J1に生き残るためには、チームとしての土台に加え、勝点を積み上げるためのプラスアルファの武器が欠かせない。
残留を果たせなかった理由については、クラブとして慎重に検証する必要がある。
来季J2の舞台で再び力を蓄え、J1定着に向けた再構築が必須だ。