今季のJ1は大混戦の様相を呈したものの、意外にも残留争いは比較的あっさり決着がついた。その背景の一つとして、クラブ市場価値が影響していると考えられる。今回は、データサイト『transfermarkt』のJ1クラブの総市場価値が低いクラブをランキング形式で紹介する。※市場価値やスタッツなどのデータは11月28日時点。[3/5ページ]
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3位:東京ヴェルディ
【写真:Getty Images】
クラブ市場価値:1030万ユーロ(約17億5000万円)
最も市場価値の高い選手:森田晃樹、齋藤功佑(90万ユーロ/約1億5000万円)
2025リーグ戦成績:14位(11勝10分15敗)
J1昇格から2年目のシーズンを戦った東京ヴェルディは、今季も厳しい戦力状況の中でなんとか残留を勝ち取り、J1定着へ向けて大きな一歩を刻んだ。
クラブの市場価値は1030万ユーロ(約17億5000万円)。J1全体で見ても下から数えた方が早い3番目の低水準であり、限られた予算の中でチームづくりを進めなければならないのが現実だ。
その状況でも、クラブは開幕前に可能な限りの戦力維持に努めた。
主力の流出を最小限に抑えることに成功し、期限付き移籍となっていた染野唯月や山見大登を完全移籍で確保。継続路線を軸にシーズンへ臨んだのは大きな判断だったと言える。
一方で、資金面の制約からか、他クラブでは当たり前となりつつある助っ人外国籍選手の補強は行われず。
その影響もあってか、今季のヴェルディは極度の得点力不足に苦しむこととなった。
36試合を終えた時点で得点はわずか「22」。リーグ5位という安定した36失点の堅守とは対照的に、攻撃面の迫力不足は最後まで解消しきれなかった。
特に、チームの市場価値にも直結する絶対的ストライカーの不在は、勝ち点の積み上げに大きな影響を与えたと言っていい。
それでも、長いJ2時代を経ての2年連続残留は評価に値する成果だ。
今のヴェルディにとっては、まず確実にJ1に生き残り続けることが最も重要なミッションだ。
土台を固めるこの数年をどう乗り越えられるかが、クラブの未来を左右するだろう。