2025シーズンの明治安田J2リーグはレギュラーシーズンの全日程を終えた。優勝争いや残留争いなど、長いシーズンの中でそれぞれのクラブに紆余曲折があったが、シーズンを通して最も多くの観衆を動員したクラブはどこなのか。J2の20クラブのホームゲーム入場者数を集計し、ランキング形式で紹介する。[1/5ページ]
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10位:ヴァンフォーレ甲府
本拠地:JITリサイクルインクスタジアム
収容可能人数:1万5,853人
平均入場者数:8,390人
ヴァンフォーレ甲府は、2025シーズンのJ2で1試合平均8,390人を動員した。
2024シーズンの8,274人からはわずかに増加したものの、上昇率は1.4%。リーグ全体が前年比15.9%増という大幅な伸びを示した中では、満足のいく結果とは言い難い。
甲府は2019年から2021年にかけてJ1昇格争いに加わる位置で戦っていたが、2024シーズンは14位、2025シーズンも最終13位と下位に低迷した。
成績面の停滞は、観客動員にも影響を与えたと言える。
第27節の北海道コンサドーレ札幌戦ではイベント効果もあり、シーズン最多の1万2,045人を動員した。
しかし、札幌戦を含む8月のホーム3試合で合計3万人を目指した「魅せろ!3万人のソコヂカラ」と題したプロジェクトは、結果的に2万8,152人にとどまり、目標達成には届かなかった。
シーズン終盤のホーム3試合はすべて9,000人超を記録し、一定の盛り上がりを見せたが、ファンが望むのはかつてのように昇格争いに絡む姿だ。
2008〜2012年にはJ2でも平均1万人超を動員したクラブだけに、今シーズンの動員はやはり寂しい。
成績不振の背景には得点力不足もある。甲府の今季総得点は「37」で、2024シーズンから「17」も減少した。
ボール保持の意識は高いが、決定力に乏しく、2024シーズンに14ゴールを挙げたアダイウトンの放出後、その穴を埋められなかったことが響いた。
一方で失点は「57」から「45」へと大きく改善しており、守備面の成長は明確だ。攻守のバランスを整えられれば、再び昇格争いに加わるチャンスはある。
まずは結果でファンの期待に応えることで、観客を熱狂させたいところだろう。

