【写真:松岡健三郎】
柏レイソルは12月6日、明治安田J1リーグ第38節でFC町田ゼルビアと対戦し、1-0で勝利した。最終節まで鹿島アントラーズと優勝を争ったが、鹿島も勝利したため、わずか勝ち点1差で逆転優勝とはならなかった。加入1年目ながらチームの主力として奮闘した小泉佳穂は試合後、悔しさを滲ませた。
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リーグのトレンドとは異なる柏のサッカーに対する小泉佳穂の思い
「いや、ダメかあ~って。一生、ずっと思っていましたね。セレモニーの間も届かなかったなあっていう思いだけですね」
小泉佳穂は試合後、優勝ではないとわかったときの思いを率直にこう振り返った。
「リーグを獲るのは簡単じゃないなというか、今年獲っちゃいたかったなって思いはすごく強い。残念です」
リカルド・ロドリゲス監督就任1年目の今季は、近年の堅守速攻からボールを保持し、細かくパスを繋ぐ攻撃的サッカーへとスタイルを変貌させた。
小泉自身、浦和レッズ時代に薫陶を受けたリカルド・チルドレンで、卓越した戦術眼と攻撃センスで指揮官が標榜とするサッカーを体現してきた。
この日も柏らしく、攻守にわたって主導権を握るサッカーを展開し、攻め続けた。
町田の堅い守備の前に前半は中々崩せなかったが、ペースを緩めることなく町田ゴールに迫っていった。
63分、中川敦瑛が自陣からドリブル突破し、右サイドの瀬川祐輔へパスを送る。これを瀬川が折り返すと、相手のオウンゴールを誘発し、先制する。
試合終盤は攻め込まれるが、最後まで集中力を切らさずに1点を守り抜いた。
「苦手としていて、J屈指の個人能力と強度を誇るチームでも自分たちのサッカーを貫けたと思うし、オウンゴールでしたけど、試合を通じてやりたいことは表現できてはいたかなと思う。ただ、シーズンのどっかしらで落とした勝ち点が思い浮かぶので、すごく悔しい思いはありますけど、しゃーないっすね」
言葉の端々から悔しさが感じられたが、柏のスタイルを最後まで貫いた。
「僕ら以外のチームはこういうサッカーをしようとしても難しいのが現実的にあると思う。そんな簡単にトレンドは変わっていかないとは思うんですけど、僕らみたいなチームが最近減ってきていたからこそ、僕らにその強みがあった。そういった意味で今年獲りたかったなって。
相手には対ポゼッションサッカーとかに対しての経験値が中々ないという意味で自分たちに優位性があると思っていた。対策も進みやすくなるし、相手も慣れてくるのでそれを超えていかなきゃいけないのは来年、再来年の大きな課題というか、テーマにはなるかなと思っています」
来季は当然、マークが厳しくなり、思うようにいかないこともあるかもしれない。だが、今季を通じて得た確かな手応えが下支えしてくれるという感触もあるようだ。
「もっとシーズン中に相手が順応していくかなと思ったけど、いろんなやり方に対して自分たちなりの回答を常に出せたシーズンではあったので、最後まで勝ち続けられた。対策を上回るスピードで自分たちが進化できたとは思っていたので、それと同じことを続けられればいい」
(取材・文:竹中愛美)
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