明治安田J1リーグは6日、2025シーズンの全日程が終了した。これにより最終順位が確定したが、前評判を覆して上位躍進を果たしたクラブが存在する一方で、開幕当初の期待に比べて大きく裏切る結果で幕を閉じたクラブも存在する。今回は、今季のJ1リーグにおいてサポーターを失望させてしまったクラブを紹介する。※スタッツはデータサイト『transfermarkt』を参照。情報は12月9日時点[2/5ページ]
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FC東京
2025リーグ戦順位:11位(13勝11分14敗)
監督:松橋力蔵
2025年12月6日、最終節アルビレックス新潟戦終了後の「味の素スタジアム」。FC東京が実施したセレモニー中に、ブーイングの声が響いた。
その声の大きさから察するに、サポーターの不満は松橋力蔵監督だけに向けられているものではないだろう。クラブの現体制とチームのパフォーマンス全体に対する失望が感じられた。
FC東京は今季、松橋監督を招へい。冬には積極的な補強を行った。
昨季、攻撃を牽引した荒木遼太郎(鹿島アントラーズ)の買い取りは叶わなかったものの、昨季限りでスパイクを脱いだエース、ディエゴ・オリヴェイラの後釜としてマルセロ・ヒアンを期限付き移籍で獲得した。
また、スペインから橋本拳人、ドイツから佐藤恵允もチームの一員となった。木村誠二らレンタルバック組も含め、全体の戦力アップには成功したと言えるだろう。
しかし、新指揮官の下でチームは、当初期待されていたサッカーを披露することはできなかった。
シーズン序盤から低迷し、4月以降は降格圏やその付近を彷徨うことに。
3バックを基本としたポゼッションサッカーは今ひとつ選手たちに浸透しきらず、プレーの迷いからか、ビルドアップ時にミスが頻発し、しばしばピンチを招いた。
それでも、3バックから4バックに変更した後半戦は巻き返しに成功する。
夏に室屋成、アレクサンダー・ショルツ、キム・スンギュといったベテランが加わり、不安定だった守備が整備されると、期限付き移籍で獲得した長倉幹樹が新たな攻撃の柱として活躍。特に長倉はFC東京加入後、公式戦7ゴールとインパクトを残した。
新加入選手の活躍もあり、リーグ戦ラスト10試合は5勝4分1敗という好成績で駆け抜けた。最終的に11位でシーズンを終えている。
だが、厳しい言い方をすると、チームに変化の兆しが見えたのは夏補強を行った6月以降だ。
復調の要因は夏に獲得した新戦力の「個の奮闘」という色が強く、根本的な課題解決には至っていない。
また、今季は多くの試合でベテラン選手に助けられたが、若返りも求められる。
「安定した強さ」を手に入れるために、首都クラブが直面する課題は山積みだ。

