残留争いを強いられていた横浜F・マリノスに、角田涼太朗が加入した。かつてレジェンドが背負った背番号22をつけ、土俵際でマリノスの危機を救う活躍を見せた。1年半ぶりに帰ってきた角田は今季を振り返りつつ、未来へと目をやる。(取材・文:藤井雅彦)[2/2ページ]
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「来年以降の目標にしたい」角田涼太朗は言葉を紡ぐ
横浜F・マリノスの角田涼太朗【写真:Getty images】
運命を決めるラスト10試合のタイミングでピッチに戻ると、身を粉にして戦った。愛するクラブをJ2へ降格させるわけにはいかない。その強い気持ちが自身を奮い立たせ、患部の痛みを忘れさせた。
あまりにも濃い約4ヵ月を過ごし、チームリーダーは静かに言葉を紡いだ。
「本当に充実していた。状況は状況だったけど毎試合楽しかったし、チームのために戦えていた実感がある。ただ残留させるために帰ってきたわけではないので、ここからもうひとつ上にマリノスを引っ張り上げることを来年以降の目標にしたい。来年以降、僕たちが優勝争いしないといけないし、そこに向けてこの悔しい経験をプラスにしないといけない」
本来いるべき場所へ戻るために、角田涼太朗は来季も横浜F・マリノスで戦う。残留争いではなく優勝争いに加わり、チャンピオンとしての矜持を取り戻す。新たなタスクを胸に新シーズンへ向かう。
(取材・文:藤井雅彦)
著者プロフィール:藤井雅彦
1983年生まれ。日本ジャーナリスト専門学校卒業後、記者活動をスタートさせる。サッカー専門紙『エル・ゴラッソ』では創刊時から執筆し、06 年途中からマリノス担当に。 現在はサッカー専門誌などにも多数寄稿。「現場に勝るものなし」を信条に、担当クラブのいまを追っている。 ウエブマガジン『ヨコハマ・エクスプレス』主筆
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